"映画感想"カテゴリーの記事一覧
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イシュマエルだけが生き残る「白鯨」かと思いきや、弟から兄へ投げかけられた「私を愛してる?」に答えが返る話だった。コンロン一家は全員エイハブ船長。捨てられた犬みたいなジョエル・エジャートンと手負いの獣みたいなトムハさん、それぞれ試合が進むにつれハラハラして大変だった…ブレンダンの試合のシーンなんか校長先生と同じテンションでわー!わー!わー!て大騒ぎしてしまう…アツい…
フランクコーチ役のグリロさんはなんかずっときれいだった…がっさがさの声の beautiful 連呼がやたら耳に残る。テスと目で会話するシーンとか共犯っぽくて良かった、このひとたちは長い時間を共有しているんだなと思わせてくれる。総合格闘技の入場曲に第9流してくれるコーチなんて好きにならざるをえない…何で第9だったんだろう、実際にそーゆー理論があるのだろうか…初公演でもうかなり難聴が進行していたベートーベンは演奏が終わっても観客の拍手喝采に気づかず、補助のひとが客席側に振り返らせてあげてはじめて成功したことを知った、て話を思い出す。ブレンダンの大事な導き手、運命の介添え人。
父は息子たちの為に、トミーは海兵隊というもうひとつの家族の為に、ブレンダンはテスと子どもたちの為にそれぞれ戦う。結果試合に勝ったのはブレンダンだけど、トミーと父、トミーとブレンダンの間で長い年月を経てやっと「お前を愛してる」が届く。輝く水面に跳ねるモビィ・ディックの尾を見送るようなラストだった…これはとてもよい…
監督:ギャビン・オコナー
脚本:ギャビン・オコナー、アンソニー・タンバキス、 クリフ・ドーフマン、
撮影:マサノブ・タカヤナギ
音楽:マーク・アイシャム
原題:Warrior
(「ザ・コンサルタント」の監督だったか…あなたは弟が兄へ「私を愛してる?」と訊ねて兄が弟へ「愛してるよ」と返す話のひとなのかギャビン・オコナー監督…)
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Facebookで全く会ったことのない女の子と「友達」になる、ライブチャットで自慰行為を配信して金銭を得る、コミュニティチャットで見ず知らずの相手に自身や家族の問題を何でも打ち明けてしまう…インターネットを介して登場人物たちは容易に誰かと「繋がる」が、距離を見誤りそれぞれ問題に直面する。たとえ友達だろうと裸の写真を送ってはいけないし、パスワードを誕生日にするなんてもってのほかである…インターネットは相手を傷付けない程度の嘘を言うところですよ…
息子の自殺未遂の原因を突き止めようと「ジェシカ」の詮索に躍起になる父親に、そうやって罪悪感を減らそうとしてるだけでしょ!弟は友達がいなかったバカにされてた!なのに私は何も気付かなかった!て慟哭するお姉ちゃんが一番イノセント。彼女が意識不明の弟について話しているすぐ隣で友達(?)が無神経にもどうしよう彼に誘われちゃった!てはしゃぐシーンはしんどかったな…彼女と彼女が「繋がっていない」ことがはっきりと視認できてしまう…
グリロさんシングルファーザーの役で、多感な15の少年期にこのお父さんは合わないととことん合わないだろうな~と思った。自分のやる悪いことは読まれてるのに肝心なところ、気付いて欲しいところは全然気付いてもらえないなんて子どもからしたら物足りないに決まっている。ママにこんなところを見られなくて良かった!て台詞のいやらしさ。それとは別に対外には社交的で終始にこにこしていてたいそうきれいでした。
単に「ネット社会は人間関係が希薄」という話でなく、「適切な距離を見誤った」ひとたちの話なような気がした。あっと言う間に過剰なほど距離が近くなり見極めが難しいネットと、隣にいるからといって理解しあえているわけではない現実の人間関係の描写の中に、SNSを介して本音を吐露しあう「ジェシカ」とベンとリッチの切実さがディスプレイの灯りみたいに淡く光る。ベンの作った曲のアレンジが繋ぐ「分断」と「再接続」のシーンの美しさ。きっとベンの意識は戻ると希望を感じるラストでした。
監督:ヘンリー・アレックス・ルビン
脚本:アンドリュー・スターン
音楽:マックス・リヒター
原題:Disconnect
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かつて凄惨な殺人事件が起きた屋敷で5人の若者が降霊会を実施した…地元住民の通報を受けて現場に駆け付けた刑事マークは彼らの死体を発見する。一体この家で何が起こったのか──?みたいな話なんだけど、びっくりするほど何にも心に引っかかるところがない凪のような映画だった…つまんない映画見ちゃったな、て怒りやましてや虚無感も沸かない、ただただフラットな83分。これは逆にすごいのでは…?
かつて殺人事件が起きた屋敷、亡くなった母がそこから自分を呼ぶ悪夢を見る少年、実は彼の母親は事件が起きた夜に現場にいたのだ!みたいな「事件を解明しようとする側にも実は秘密がある」設定も、登場人物が心霊現象をカメラにおさめるためにハイテク機器で「武装」するのももう珍しくない。壁の十字架が逆さまになったり突然発火したり心霊現象もお馴染みのもの。「悪魔」が若者たちを襲うシーンの影像は不鮮明でスプラッタ的見せ方をするわけでもない。ど、どうしろって言うんだ…どっか褒めさせてくれよ…
グリロさん事件の真相を追う刑事さん役。現場でもりもりコーヒー飲んだりリンゴ食ったりしてかわいかったけど、ここが魅せ場!と思えるところが無く…残念でした。
監督:ウィル・キャノン
脚本:マックス・ラ・ベラ、ウィル・キャノン、ダグ・サイモン
音楽:ダン・マロッコ
原題:Demonic
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Netflixオリジナル作品。グリロさんは犯罪者の「逃がし屋」役。
全編ほぼほぼ車の中と周辺で物語が進行する。運転中なんかずっとグリロさんが映りっぱなし。カーアクションものの楽しみ方が常々掴みきれないんだけど、今作みたいに後部座席や助手席にカメラを固定して撮ってるシーンがあると「他人が運転している車に乗っている時のそこはかとない不安感」が煽られてよいかもしれない。自分で運転するひとは他人の運転って怖いからね加速や減速やウィンカー出すタイミングもいちいち違うしね…
電話中はそうでもないのに、直に娘ちゃんと会って会話するシーンで急に「お父さん」になるグリロさんの切り替わりきれいだった。財布後で返せよ、と言うときの声や表情よ…14の娘を巻き込んでしまっているあたりおいおいお父さん案件なんだけど、あの声と表情で帳消しになってしまう。
監督、脚本:ジェレミー・ラッシュ
音楽:ブルック・ブレア、ウィル・ブレア
原題:Wheelman
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Once more into the fray...
Into the last good fight I’ll ever know.
Live and die on this day...
Live and die on this day...
もう一度戦って
最強の敵を倒せたら
その日に死んで悔いはない
その日に死んで悔いはない
こりゃキャラ的にグリロさん早い段階で死ぬだろうな…と覚悟していたけれどそんなことはなかった、主人公の鏡像のような立ち位置。ふたりの孤独な「ジョン」の対比、ファンタジーで情け容赦のない狼ちゃんたち、何もない雪原の暗闇に輝くたいまつの光、身も凍るような自然の風景の画が美しい。
川岸に座り込むディアス(グリロさん)のシーンは際立って美しかった。
大切なひとを失い、人生に疲れ切って、死に場所を探していた男にもう一度闘志の火が灯る。ディアスとオットウェイ、二人の「ジョン」は二人ともが孤独(他のメンバーは家族や恋人の写真を財布に入れてるのにディアスのだけ何も入っていないの泣かせる)であったのに、片方は運命を受け入れ、もう片方は「もう一度戦う」道を選ぶ。鏡写しのような対比。ディアスったらのっけからバーでケンカしている、死体から財布をかっぱらおうとする、狼の首を切り落とす等々どう考えても序盤で死ぬチンピラ的キャラクターかと思いきや全部オットウェイの反転だったのか…墜落直後涙を流しているところをでこちゅーで宥めてもらいタトゥーを見せるためにか首回りがゆるいグリロさんまさかの優遇具合。きれいだった。
監督:ジョー・カーナハン
脚本:ジョー・カーナハン、イアン・マッケンジー・ジェファーズ
音楽:マルク・ストライテンフェルト
原題:The Grey
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突然のフランク・グリロさん週間。
ハネムーン中のファンドマネージャー、夫を亡き者にしようと企む妻とその愛人、赤ん坊を抱いた女性、手錠をかけられた男、修理工を名乗る謎の青年。それぞれ腹にいちもつある6人が砂漠の真ん中で遭難状態に。はたして彼らは生還できるのか、みたいな話。なんとなく「殺し屋チャーリーと6人の悪党」っていう映画を思い出すのだ…(察し)
殺し屋チャーリーと6人の悪党予告編
グリロさんは妻に命を狙われる悪徳ファンドマネージャー役(ハネムーンなのに)支配欲が強くて妻のことも成功の象徴・トロフィー程度に考えているのかと思いきや心からクソ愛しているらしいですよええ~命を狙われていたのに??わりと始終にこにこしていておよそ家庭的とは言えないキャラクターなのに女性から即泣いてる赤ん坊を受け取ってしー、てなだめるとゆーちょっと珍しい男性像だった。終盤眼鏡姿あり。
「エネミー・オブ・アメリカ」の脚本家さんが監督・脚本だそうで、このひとは最後男二人で〆たいひとなのかな…と思いました。
監督、脚本:デビッド・マルコーニ
音楽:リチャード・ホロウィッツ
原題:Intersections
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シャボン玉!
もーう女が女にプロポーズしたり女が女を口説き落としたりする映画が最高じゃないわけがない。カチカチパズルがはまってく気持ちよさとプロフェッショナルが存分に腕を振るう様を見る幸福。わたしだってケイトさまに顎に垂れたウォッカ拭って欲しいしリアーナにおばかさんって言われたい。
「女同士のドロドロ」「女は執念深い」「女は感情的」「女は論理的じゃない」「女には男が必要」みたいな世間のネガティブなイメージを逆手に取ったキャラクター達が気持ちいい。アンハサの役に顕著だけど、若いライバルに嫉妬し、体形を病的に気にし、豪華なジュエリーとイケメンを見せびらかす、ダフネは典型的な「頭からっぽで八方美人な女優」かと思いきや意外と見るところを見ていて油断ならない。「何だかとっても巨体に見える!」のヒステリックな演技が堂に入っていて痛々しい分(女優さんってマジですぐデブとかブスとか言われるもんな…)終盤の彼女の姿は痛快だったな。
ボルゾイ連れたアーミティッジさんゴージャスだった~「可愛がられそう」な顔って的確な形容。こーゆー顔がいいだけのキャラクター、ひと昔前ならパツキンのチャンネーが演じていたような役が男性にふられる逆転。
ソダーバーグは執拗だし全部言おうとする、てゆーイメージだけど(好きだよ)ゲイリー・ロス監督の今作は全体的にさらっとしてたなとゆー印象。ラストとかすごいさらっ。「昼食の具がたっぷり入ったサンドイッチをゴミ箱の上で食う犬好きのおっさん」とゆー妙なディティールのキャラクターがいたりする映画なので、このさらっと具合はわざとなのではないかな。デビーのリストの中身も詳細に語られず、タミーの伴侶は姿も声も描写されない。脚本がゆるいというより意図的に描かれていない部分があるのじゃないかな。
わたしは8歳の夢見る少女なので見終わって帰りの車の中でなんだか泣いてしまったし、これから先ウッ死にたい…てなったときに見るリストにこの映画を入れた。じんわり元気をもらった。何かにあこがれる世界中の女の子に彼女たちが味方してくれていると思えば、45ドルでどこへだって行ける。
監督、脚本:ゲイリー・ロス
音楽:ダニエル・ペンバートン
原題:Ocean's Eight
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「バーフバリ 伝説誕生」で浮かんだか、カッタッパーーー!どうしてだよーーー!という強い疑問に答えてもらってきた。
前作では滝登りのシーンやシブドゥとアヴァンティカの愛のシーンのあまりのロマンティックな描き方にディスニー映画か少女漫画家と思ったけど、今作はそれに加えて戦闘シーンで瞬間移動したり少年漫画的な描写があってもうそんなことってある?いちいち大仰でドラマティックだった。
アマレンドラ「切り落とすべきは指ではなく首だ!」バラー「!」シヴァガミ「!」
みたいなキャラクターがカッと目をひんむくシーンで都度ヴィブラスラップ鳴らしたい。
デーヴァセーナさまが小枝に火ぃつけてあいつのこと灰にしてやっかんな!て言ってたのは25年にも及ぶ投獄によって培われた激情なんだと思ってたけど、王の凱旋見たら若いときからめちゃめちゃ血の気の多い姫さまであらせられた…バーフバリの求心力やカリスマ性がバラーラデーヴァとの間に悲哀をもたらしたのだと思っていたけれど、歯車が大きく狂わせたのはデーヴァセーナさまの苛烈さだったのではないかな…運命の女…
監督、脚本:S・S・ラージャマウリ
音楽:M・M・キーラバーニ
原題:Baahubali 2: The Conclusion
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前作は生きがいとなるお仕事を通してどんどん生気を取り戻していったパパ・Mr.インクレディブルは今回お留守番、ママ・イラスティガールがヒーロー活動。パワーにものを言わせる破壊活動が専売特許のMr.インクレディブルは赤ちゃんのお世話、息子の宿題、思春期の娘の対応それぞれ最初はうまくできないし、反対にイラスティガールがお仕事を成功させているのにヤキモキするんだけど、それでも腐らずに出来るところからひとつひとつ対応していく。家庭とはひとりひとりがその必死に役割を果たしてやっと回るものだからMr.インクレディブルが頑張るのは当然っちゃあ当然なんだけど、おそらく「男は外で稼ぎ女は家にいるもの」みたいな価値観で暮らしてきたひとが妻にあたらず現状に適応しようとする姿を描くのはロールモデルとして良いのではないかな~
危機をヒーロー任せにし自ら戦おうとはしない、行動せずモニター越しに体験を共有し満足する我々への警鐘。スクリーンスレイヴァーとは皮肉な名前だな。
ところでわたしもエドナ・モードのブランドでお買い物してあのロゴが入った紙袋を見せびらかしながら帰りたい~
監督、脚本:ブラッド・バード
音楽:マイケル・ジアッキーノ
原題:Incredibles 2
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前作のラスボス、ソロモン・レーン(ショーン・ハリスさん)の素晴らしく耳障りのいい声による結婚の宣誓から始まる。そこでもう元取った気になる~んだけど終わってみると少し期待しすぎたかな…息を飲むようなアクションの連続ですごくてすごくてすごいんだけど、すごすぎてトム・クルーズが心配になってしまう…ご自愛ください…
特定のシーンもしくはアクションをやりたいが為に登場人物に賢いとは言えない振る舞いをさせる、てのは悪手だと思うので、パラシュートのシーンとかはわーすげーどーやって撮ってるんだろう?が半分あーあー⤵が半分…あそこでオーガストくんのキャラ観が決まってしまって(ミッション続行に向かないような天候なのにもかかわらず強行し失敗しかける)(マジかよお前CIAの秘蔵っ子じゃねーのかよ)その後ずっと侮って見てしまった残念…偽のジョン・ラークのスマートフォンがトイレのシーンではバキバキだったのにスローンに提出するときはきれいになってたのとかちょっとがっかりしてしまった…観客と「真の敵は誰か?」を共有する気はないのだな…カヴィルさんのきれいな顔が焼けただれるのとか一部の特殊なニーズには応えてくれているのに…
ベンジーがMIRNの時よりもまた一段フィールドエージェントとして成長してるのが見えてじんとした…憧れのイーサン・ハントと対等に会話している。あれもうイーサンも「君を守りきれないから帰れ」なんて言わないやつだ…ルーサーとイーサンとベンジーでチームしてる姿に年月…思えばずいぶん遠くまで来た…て目頭をおさえた。前作で誘拐して爆弾ベストを着せた加害者/被害者の関係にあるレーンと目を合わせて会話するシーンが見られるとは思っていなかったので嬉しかった My funny little friend!
イルサとベンジーのガールズトークを望む会の者としてはクリストファー・マッカリーーーーー!この野郎どうもありがとうございます!て感じだった。合わせ鏡のように立つイーサンとイルサの対比は美しかったけれど、前作でロマンティックな関係にならないふたりに萌えた身としては今回の結末は少々残念だったな…
レーンとイルサの関係も不思議だった、全然しゃべんない…全然しゃべんない…からのthat was Ilsa が第一声なのに感嘆した。レーンは誰にも執着しなくて、イルサのことはちょっとお気に入りで利用価値があるMI6くらいに考えてるんだと思ってたけどこちらの想定以上に特別な存在だったのかな。必ず殺してやると言わんばかりの目をしているイルサとの対比。
ホワイト・ウィドウ役のバネッサ・カービーさんの底知れぬ感とても良かったのに出番ちょろっとキス要員で残念。
「運命は勇者に囁いた、嵐には勝てないと。勇者は囁き返した、私が嵐だと」て中国のフィギュアスケート解説者さんが言った言葉は何かの引用だったんだっけ…似たようなのが出てきた。
あのめっちゃ強い偽のジョン・ラークは Liang Yang さんとゆースタントマンさんで、SWでもスタントや武術指導をされいるそう。
この中のひとや
この中のひとらしい
なるほどな…道理で只者ではない…お世話になっております…
エージェントの悲哀、悪夢で目覚め枕元に銃を手放せない。MIGPでベンジーが不眠症ぎみだ、もうちょっとで核爆弾が爆発していたかもしれないのにみんな何も知らないでいい気なもんだよな、て言ってたけど、そうやって大事なひとの眠りを守っている。あなたがいるから夜安心して眠れると言うジュリアの存在はこれまでのエージェント・ハントを全肯定してくれる。なんかもうここでシリーズが終わっても良いのではないかな…制作側も観客もどんどん過激なアクションを目指し・求めるのは危険なことだと思うし実際今回ちょっと引いてしまったよ…トム・クルーズは自宅や病院のベッドではなく映画制作の現場で死にたいみたいな願望でもあるのだろうか。一回全然アクションしないコメディとかやって欲しい。
監督、脚本:クリストファー・マッカリー
音楽:ローン・バルフェテーマ
原題:Mission: Impossible Fallout
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Queen's english, girl! 今度の子守りは死なない!やったね!メイジーとのやり取りを見てああこのおばさん死んじゃうんだ、きっと恐竜に食べられちゃうんだ、て早々に覚悟を決めていたのだが無駄になって良かった。
強力な麻酔を食らったはずのオーウェン(クリプラさん)が謎の起き上がりゾンビ技を見せたり、数年野っぱらに放置されていたはずのパークの乗り物で脱出をはかったり(動力どうなってんの?)噴火から逃げそびれた首長竜が悲壮感たっぷりに波止場にたたずんだり(前作からの悪習!)と前半島パートはなんだそれ…の連続。けれど後半で怒濤の巻き返しをはかる変な映画だった。恐竜映画とゆーよりモンスター映画だ。一瞬の光に浮かび上がるシルエットがだんだん近づいてくるホラー演出…多分この監督には「洋館」が必要なんだろうな…ベッドに隠れて怯える少女に忍び寄る爪の長い怪物、がもっともやりたかったシーンではないのか。
皆さん前半を見て人間に対する怒りが沸き起こっていることかと存じます、ですがご心配には及びません、後半ではその怒りをすっかり晴らしてご覧にいれますよ、さあエレベーターがパーティー会場に到着いたします、どうぞ楽しんで!みたいな悪趣味演出、嫌いじゃないです。悪人は爽快に死ぬ。
うわーラプトル姉妹の育児記録全部見せてくれー!と思う反面人間に…人間なんかと密に関わったから…だからあの子達はこんな目に…て思うところもあるのでとても情緒不安定になる。「ジュラシック・パーク」は過ぎたテクノロジーは危険が危ないみたいな話だったけど、クローンであるメイジーがボタンを押して似た境遇の恐竜たちを世に放った今作はテクノロジーの結果や副産物を受け入れ共存する道を示す。全然手に負えないと思うんだけどこの後どう続けていくつもりなんだろう…
監督:J・A・バヨナ
脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
音楽:マイケル・ジアッキーノ
原題:Jurassic World: Fallen Kingdom
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猫が死んだからダメだな、と思いきや死んでいなかった…?ラストに出てきたあの猫は銃で撃たれたあの猫と同一存在猫なのか否か誰か明言してほしい。アジア映画らしく(?)馬も大変アクロバティックな目に合うので目を覆いたくなるんだけど、崖から落ちるシーンとかは明らかに人形が使われていたので少し安心しました…
「ブレイドマスター」 の続編。あの飛魚服がとびきりお似合いな錦衣衛(明時代の秘密警察)チャン・チェンさん再び!前作よりも泥臭く生々しいアクション。
ヒロイン北斎が、お前は逃げろ!敵は足止めしておく!な状況でいったん逃げるもやっぱり戻ってくるとゆーなかなか愛しにくい行動をするのだが、主人公沈煉(チャン・チェンさん)がそんな北斎を守る理由として「あいつの描く絵が好きで」をあげてくるのでぐっ…そうか…じゃあしゃあないわな…て納得するに至った。たとえそれが建前の動機だとしても「好きな絵描きさんだから」以上に心を砕く理由が必要だろうか?いやない。
ところで陸文昭のお召し物がニットカーディガンみたいでなんかかわいかった…
監督、脚本:ルー・ヤン 脚本
音楽:川井憲次
原題:繍春刀 修羅戦場 Brotherhood of Blades II: The Infernal Battlefield
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他人の意識の中に入り込み、そのひとに憑りついた悪魔を夢の中から祓うとゆーちょっと毛色の変わったエクソシストもの。ゾンビものしかり、ホラー映画はどんどん新しい挑戦をしていくな~
聖水もストラも十字架を押し付けて汝の名をあらわせー!と叫ぶ神父でもなく、髪ぼさぼさ無精ひげくたくたシャツで車イスにのったくたびれたおっさん風アーロン・エッカートが電子機器と薬品で悪魔と対峙する。新しいしなんぼでも面白くなりそうな設定なんだけどちっとも怖くしてくれない…び、びっくりするほど怖くしてくれない(2回言った)でも多分この、「現実ではよれよれなエッカートさんが他人の意識の中では二本足で立ちシャキッとしたビジュアルになる」一粒で二度美味しい感を楽しむ映画なのではないかな…個人的には車イスッカートさんのボブスタイルが良すぎてずっと現実パートがいいな、と思いました。
悪魔に憑りつかれた少年(特に拘束もされていない)がいる部屋にエクソシズムの準備のため助手とかがふつーに入って背中向けたりしていたのを見て安全対策とは…?てなった。
暗闇の中にぽつんと青いドアがあらわれるシーンとかに感じるブラムハウスみ…
監督:ブラッド・ペイトン
脚本:ロニー・クリステンセン
原題:Incarnate
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Choose kind…!
5年生の子どもに混ざってまばたきもせずにゲームに興じるオーウェン・ウィルソンがまさに適役。
ヴィアとミランダのパートの方がなんだかグッと来てしまった、両親が弟にかかりきりだからどんなに内心複雑で孤独を感じてても「しっかりものの姉」「弟の親友」の仮面を咄嗟に被っちゃう長女。パパもママもフォローはしようとはするんだけどカバーしきれない。ヴィアが演劇で熱演出来ちゃうのは普段から「演じて」いるからじゃないのか…ミランダが演劇やってみようって思ったのもサマーキャンプで「演じた」からじゃないの…何でも忌憚なく話せるのはお互いしかいなかったのにすれ違って距離を置いてしまうガールズ…
僕だって学校にチューバッカが来たらじろじろ見ちゃう、てオギーが言う通り、我々は自分たちと極端に違う存在に戸惑う。その時に「親切」を選べるかどうか。 ”ordinary” の星に降り立った宇宙飛行士オギーは奇異の目で見られるけれど、最初のひとりが親切にするとそれが徐々に広がっていく。オギー自身の変化は始まりと終わりでそこまで大きくないと思うし、周囲の子もべらぼうに大きく成長したわけでもないと思う。ひとりで困っている子に声をかけることが出来るかどうか(カンニングのお手伝いも含む)単純だけど勇気がいる一歩を子どもたちが踏み出す姿が頼もしかった。「自分の意見をはっきり言う」教育がされてるんだな…て洋画を見ると思う…
監督:スティーブン・チョボウスキー
脚本:スティーブン・チョボウスキー、スティーブ・コンラッド、ジャック・ソーン
原題:Wonder
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あの新兵受付のおっさんは全然まったくこれっぽっちも他意はないし、何なら他の似たような子にも同じことをしてるのかもしれないけど、多分あの瞬間がおっさんの人生のなかでした一番いい仕事だったと思う。
フィル・ロード、クリス・ミラーのコンビが監督を降板!急きょロン・ハワードが監督に!映画はほぼほぼ撮りなおし!ようやく形になってきたと思ったらポスター盗作疑惑!やっとこ公開したら興行収入はあんまり奮わず!
と定期的に不安をあおり期待を削ぐニュースばかり流れてきて見る前からだいぶげんなりさせてくれたハン・ソロ(ポスターの件は問題になったものがかっこよかっただけに余計がっかりした)ですが、何だよ~ちゃんと面白いじゃんか~~~SW7・8がどん暗い戦争の道を進んでいるのに対しそこもで重くなく、爽快で、アツいエンタメを貫いている。
監督がロン・ハワードだから男が男に惚れる話なんだろうな、そしてエミリア・クラークを起用しておいて「女は男が帰るための港」みたいな使い方しかしねえんだろどーせ!ペッ みたいな予想をしていたのですが、キーラをはじめガールズの描き方は全然そんなことなかったですねごめんなさい監督。目的を果たすために火力増しましで戦う強くてかっこいいキーラ、ヴァル、L3-37 ヒーローに守ってもらう昔ながらのヒロインがひとりもおらず、逆にヒーローがヒロインに助けられていた。価値観の急激なアップデートに驚いた(ドロイドの権利を叫ぶL3の描写とかは、その後のトリロジーにひとつも反映出来ない分ちゃんちゃら可笑しかったけど)
やるかやられるかの損得の世界で義憤を選ぶ男。EP4で一度は降りたのにやっぱりルークを助けに戻ってきてくれちゃうハン・ソロという男の、アウトローらしからぬ善とそれを作ったものたちの話。ウディ・ハレルソンさんのベケットはソロが選ばないであろう道を選ぶキャラクターという位置づけだったのかな。船を降りて、戻ってこなかった。
SWでひとの声が入った曲が使われるのははじめてじゃないかな~民謡みたいだった。声を奪われたものたちが叫ぶ No more
監督:ロン・ハワード
脚本:ジョナサン・カスダン、ローレンス・カスダン
音楽:ジョン・パウエル
原題:Solo: A Star Wars Story