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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

"映画感想"カテゴリーの記事一覧

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  • 道士下山

    世間に出て見聞を広めてらっしゃい、と体よく厄介払いされた道士が街でさまざまなひとと出会い成長していく、「魔女の宅急便」的なあれです。

    女性のみならず男性にも花を背負わせるその意気やよし!手足ぐわんぐわん振るのが映えるかわいいワン・バオチャンさん、きれいなアーロン・クォックさん、チャン・チェンさんに黄色だの桃色だの白だの可憐な花を合わせてくださる取り合わせ、ありがとうございます。はしご状になった花棚の上を歩く女を下から撮るとゆーフェチいカットがあってくっ…好き…てなった。命を謳歌するように咲きこぼれる花々の、ハッとするほど美しい画を急にブッこんでくる。

    チャン・チェンさん役者のジャー役で出演。アーロン・クォックさんと戦場で出会って山で一緒に修行して、いまわの際にひとめ会いたいと思うくらい大切な友だちって設定だったのでひぇってなった…見つめあうきれいな人たち…敵の攻撃くらって鼻血をふく、不適にニヤリと笑う、服の裾ばさばさする等目に嬉しいシーンたくさん。

    監督、脚本:チェン・カイコー


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  • IT/イット ”それ”が見えたら、終わり

    こーれーはー「夕闇通り探検隊」がやりたくなる。

    Welcome to losers club, asshole!
    (フルスイングばこーん!)

    怖がらせ方がわたしのツボとは違ったので、ホラー映画とゆーより「イケてない僕らのキラキラ物騒な夏休み、ペニーワイズさんもいるよ!」て感じだった。

    地下室、壁にかかってる変な絵、火事、昔あったこわい出来事、帰り道にある荒れた空き家、ピエロ、「血」と「大人」…子どもの頃こーゆーの怖かったよな~て共感しちゃうアイコンが散りばめられてる。けどどしゃー!とデーハー(派手)なペニーワイズさん演出の恐怖表現より、いじめっ子がナイフで切りつけてきたり、親が子を虐待をしている描写の方がはるかに恐ろしいしキッツい…ピエロかすんじゃった…女の子の描き方とか色々つらかった…ペニーワイズさんはどっちかっつーとはっちゃけてて楽しそうだったな~いちいち大仰なんだよ~

    ペニーワイズさんがもっとガンガンに怖いのかと思ってたのでちょっと拍子抜け、みずからの恐怖に打ち勝つ少年少女の物語だった。風船、終盤の「ぷかぷか浮いてる」の描写、ラストバトルにおけるペニーワイズさんの変幻自在さ等々、ファンタジーな表現は大変好み。

    監督:アンドレス・ムシェッティ
    脚本:チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン
    音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ

    原題:IT


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  • ELLE エル

    ううーん難しい!どう解釈したらいいのかいまいち掴みきれない…うーんうーん…

    ぼんやりと思うのは、ミシェルは加害者になりたかったのかな、とゆーこと…周囲はそうと思わないけれど、ずっと被害者だった人生。父親がしたことによって生き方を左右されてきて、母親は忠告もきかず若い恋人に入れあげ、息子は乳母役をしてくれた親友の方になついていて、その嫁はちょう気性激しくて敵対心むき出し。旦那は彼女に手をあげ、離婚後は若い女と親密になり、親友の夫はミシェルを気遣わずに体を求めてくる、そしてレイプ…タフに自由に生きているようでいてずっと他者にコントロールされてきた人生の舵を取り戻したかったのかな…とかぼんやり…うーんうーん。最後に残ったのが「息子」と「親友」とゆー、彼女が自分で選んで側に置いてるものなのが少しホッとする。

    「目をくりぬく」て表現が印象的。現場を見つめる猫の目、写真に撮られた少女の眼差し、冷たい温度のミシェルの目、観察する視線…あの目で断罪されるのを想像したら、死にたくなるのも無理はないかもな…こわい…圧倒的ユペールさま…

    ところでレイプ犯の家族の台詞にお、おお…てなった…ミシェルの行動はトンでもなように見えるけど、本当に邪悪で闇が深い生き物のおこないは彼女の比ではない…

    監督:ポール・バーホーベン
    脚本:デビッド・バーク
    音楽:アン・ダッドリー

    原題:ELLE


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  • ドリーム

    やっかいごとを起こさないで、あなたが我慢すれば済む話でしょう?と言う人々に、うるせえばーか!と言い返すような気概を感じる…

    この子は天才だ、いい学校に入れてあげなきゃ、奨学金も出しておげなきゃ!てゆー先生や、君は臨時雇いの計算係だけじゃ勿体ないよ、技術者になるべきだ!てゆー同僚さんの存在の心強いこと。まだ人種・性差別色濃い60年代、普遍的に差別も偏見も存在し(白人・男性はそれが差別だとも思ってない)社会は不条理で、君たちの名前は必要ないと「黒人女性」のワクに埋もれさせようとしてくるけれど、彼女たちを後押しし、重用し、能力を発揮する手助けをしてくれたひとたち。行く手を阻むことだけしないでいてくれたらいいのだ、余計な邪魔さえなければ、彼女たちはどんどん結果をだすのだから。

    不公平な扱いにもう、心底、うんざりしているだろうに、腐らずお仕事に身を捧げるキャサリン、ドロシー、メアリーのかっこいいこと!大声で怒鳴り散らかして、でもすぐ息を整えて「だから、お許しください」とフォローするキャサリン…いたいたしいほどに理性的…タラジ・P・ヘイソンさんの熱演…理詰めで、実力で、先を読む力で、着実にゴールに向かう姿はかっこよくて頼もしい。色とりどりのスカートの裾を揺らして、ヒールコツコツと音立てて、彼女たちが廊下を闊歩するの素敵だった~60年代のお洋服もかわいかった~裾がふわりと広がるスカート、ワンピース、スカーフ。鮮やかな色彩が黒い肌に映える。

    ほんと実利のことしか考えてなさそうなケビン・コスナー(このひとはなんか優秀な部下を獲得する係みたいなイメージがつきつつある)保守的な白人女性キルスティン・ダンストのやなやつ感の塩梅もよかった。キルスティンの役は「白人」だけど「女性」でもあるから、キャサリンたちとは比較にならずとも差別はされてたんじゃないかと思うんだよな~彼女も他者に歪められて、同じことを自分より弱いひとに返した。

    爆発しそうな怒りを、理性的に顔の下に隠して、眼鏡とシャーペンと計算機で宇宙まで行った彼女たちの話。見ると元気になる。きれいに描きすぎてる気もするんだけど、きれいに、まっすぐ、清々しく彼女たちを描くことで「今」にケンカ売ってる気がする。穏やかな義憤の火が宿る。

    監督:セオドア・メルフィ
    脚本:アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィ
    音楽:ハンス・ジマー、ファレル・ウィリアムス、ベンジャミン・ウォルフィッシュ

    原題:Hidden Figures


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  • パージ:大統領令

    まずこのポスターからして最高じゃない?パージを体験するためにツアー組んで外国からやって来た旅行者の一団がワシントンやリンカーン、自由の女神の仮装をしてアメリカめ!死ね!とかやってるこの悪趣味極まりないセンスよ。今回は全体的にみんなかなり調子に乗って全力でふざけてきてて楽しい、車全体を電飾でデコるとかよく思いついたな?

    チョコバー・ガールズのマザファッカぶり、教会で殺人を聖なる行いのごとく賛美する牧師さんの倫理観逸脱っぷりなど、やべえ顔するひとのやべえ顔の演技がヤバい(語彙とは)カメラにつばが飛ぶほどの熱演に脱帽だぜ、あんたが一等賞だよ。パージを謳歌する者がちゃんと憎たらしいので、容赦なく車で轢かれたり散弾銃ブチこまれたりするとひゅー!てなる。

    うすい唇をぽかんとあけがちなグリロさん演じるレオはわりと序盤で被弾するしスタンされるし護衛対象を奪われるしでけっして無敵のヒーローではないんだけど、敵に背後から忍び寄るとき誰も見てないのにくちに指立ててしー、てしてたのでなんかもうオールオッケーです。前作に引き続きよく生きてたな。

    1がパージの夜を乗り越えるある家族の話、2は様々な思惑と事情を持ってパージの夜を過ごす住人達の話、今回はパージの夜を終わらせたい側と、続けたい側の話だった。いい区切りのつけ方だったんじゃないかな~テレビドラマ化も楽しみ楽しみです。

    監督、脚本:ジェームズ・デモナコ
    音楽:ネイサン・ホワイトヘッド


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  • ゲット・アウト

    黒人の青年が白人の恋人の実家に遊びに行ったらさあ大変!ムービー

    これはいい!

    登場人物がはっきりくっきり「奇妙な」表情をする、そ、それどーゆー感情だよ!っぷりがすごい。特にお手伝いさんジョージナ役のベッティ・ガブリエルさんがピカイチ、彼女がしゃべってるシーンの「なんっとなく今すぐここから逃げてえ…」感といったら!怪演!

    白人男性が黒人の青年に振る話題として、タイガー・ウッズっていいよね、時代はブラックだよ、みたいな事を言っちゃう、ええ~今2017年だぜ~?てなるくらいの人種差別意識の表現に苦笑いしていたらすっかり騙された。少なくともアーミテージの一族にとっては体なんかただの入れ物で、重視するのはその「入れ物」がいかに優秀か、すぐれた遺伝子配列を有しているかどうかで、肌の色がどうのこうのな差別意識とはまた違った次元にいる。白人ばかりの家に黒人の青年がひとりいるから居心地が悪いのかと思いきや、違和感の正体はショーウィンドーのドーナツを吟味するみたいに「見定めている」ひとばかりだから。

    黒人の青年が主人公だから、警察は彼を助けてくれないカモ!ととっさに思ってしまうような、現代社会に生きているとなんとなく刷り込まれていく「先入観」を逆手に取った良作。イイ味出してる主人公の親友くんがジェフリー・ダーマーについて言及するのとか不謹慎ながらにやにやしてしまう。

    ※ところで恋人の弟役でいや~な感じを好演していた青年、どっかで見たことあるどっかで見たことあると思ってたらX-MEN:ファーストジェネレーションのバンシーことケイレブ・ランドリー・ジョーンズくんだった大きくなって!

    監督、脚本:ジョーダン・ピール
    音楽:Michael Abels

    原題:Get Out


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  • Mr.Long ミスター・ロン

    東京国際映画祭にて。とても良かった。

    暗殺者がおせっかいな地域住人や中国語を解する母子と交流するうち次第に変化していく…みたいなよくあるプロットに、びっくりするほど素直な表現と、胸が痛むような残酷でキツい側面が色を添える。穏やかでコミカルな日常から圧倒的な暴力まで勢いよく噴き上げる終盤は圧巻。

    リリーが賢治と恋に落ちる描写が少女漫画もかくやとゆーくらいかわいらしくキラキラいていて監督正気かよと思っていたら、その後物語の暗い面を彼女が一手に担ってしまったくらい酷いことになっていよいよか、監督正気かよ…!てなった。イレブン・ヤオさんのものすごい熱演、笑っているととてもかわいらしいひとなのに、ものすごく壮絶な表情も、見てるこっちが死にたくなるくらい絶望的な表情もする。すごかった。

    チャン・チェンさん演じるロンもとても良かった、チャン・チェンさんありきのキャラクターなのでクールぶってて寡黙で、かっこよくて、でもかわいいところもあるんだ~☆てのが余すところなく描かれていてそれな~~~~~!て膝を打つしかなかったもうほんと監督ありがとうございました。あんなひとが「お前あのとき助けた犬か?」てファンタジーなこと言ったり、お料理上手だったりなんて監督はチャン・チェンさん夢女子なのでは…?少ないセリフで、抑えた表情と動作で、けれどロンの戸惑いや優しさや喜びや怒りがちゃんと伝わる。主演男優と女優で両端な表現だな~どちらも素晴らしかった。

    同日に「牯嶺街少年殺人事件」を見ていたので、牯嶺街~では誰もみずからの望むように生きられなかったのに対して Mr.Long では主人公の「こう生きたい」が最後には叶うのが、何だか救われたような気がした。SABU監督作品はこれが初めてなんだけど、なんて素直な作品を撮るひとなんだろう。おとぎ話みたい。観終わった後まんまと牛肉麺が食べたくなる。

    ※ところでPerfumeのライブに行ったことがある身としてはけっこう他人事でいられないシーンが…ぐるぐるぐるトントン、ぐるぐるぐるトントン、よーこ、よーこ、ぐるぐるぐるトントン♪戸惑うロンに分かるよ…てなる…初ライブの自分を見るよう…

    監督、脚本:SABU
    音楽:松本淳一

    原題:Mr.Long


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  • 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

    電気のスイッチをパチン、とつけるように生活や恋や夢や希望が描かれ、またパチン、と消すように焦燥や不安やままならない現実や不条理な社会が描かれる。
    年相応に屈託なく過ごす中学生なのに、夜間部に通う子どもたちは闇や暴力ととても距離が近い。昼はいつまでも続かず、懐中電灯が秘密に光をあて、ろうそくの火は頼りなく吹き消され、不安定な室内灯は頻繁に停電し、血なまぐさい夜が長く続く。静かなカメラワークで61年夏の台湾の昼と夜を執拗に見つめさせる。4時間近い映画なのに全然気が散らなくって驚いたどーゆー魔法だこれ?

    夢みたいに印象的なカットが多く、一寸先は闇がすぎる夜の描写が恐ろしいんだけど、見終わってから振り返ると菩薩さまみたいに清らかな顔をしたヒロインと、張震少年の幼い笑顔が浮かんでくる。ブラスバンド合奏に負けないくらい声を張り上げて僕は君の味方だ!と叫ぶ張震少年はたしかに頼もしい灯りそのものだったのに、夜から抜け出すことは出来なかった。置き去りにされた懐中電灯が悲しい。誰も彼もみずからが望んだように生きられなかった。

    監督:エドワード・ヤン
    脚本:エドワード・ヤン、ヤン・ホンヤー、ヤン・シュンチン、ライ・ミンタン
    音楽:チャン・ホンダ

    原題:牯嶺街少年殺人事件 A Brighter Summer Day


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  • アトミック・ブロンド

    She's a killer queen~♪
    基本的にどの角度から撮っても最高に美しいシャーリーズ・セロンさまにカメラがずっと向いているので目にご褒美、ノリノリの音楽がガンガンにかかって耳からごちそう。冷戦下の東西ベルリンとゆー時代・ロケーション、衣装、小物の数々も楽しい。ネオンカラーとえげつないカーアクション、ちょっととっつきにくい話運びが終盤一気に収束するあたりなんかはジョン・ウィックのきょうだいって感じ。

    ここのところ打てば響くようなテンポの良いアクションに親しんでいたせいか、ロレーンのおもくそ力こめて渾身の一撃!みたいな重そうな拳にやられた。長い手足が近接戦に映える!生々しい怪我のメイク!弾撃ち尽くした銃身は鈍器と化し、キッチンは戦場になる!人間がなかなか死なない泥臭いアクション!

    セロンさまはもとより役者さんみんな良かった、うさん臭いの代名詞トビー・ジョーンズさん、いいひとの代名詞ジョン・グッドマンさん。不憫で、けれどきちんと自分で止血してロレーン「ひどいドイツ語だ」なんて言っちゃう大胆不遜なエディ・マーサンさん。
    歩き方からしてチンピラなマカヴォイ先生が刺されたり撃たれたり傷口をえぐられたりして思うさま悲鳴をあげるの、需要を分かってらっしゃる~⤴て安心と信頼。善人でも悪人でもイマイチ信頼しきれないこのバランス。
    そして本作のイノセンスを一手に引き受けるソフィア・ブテラちゃん!ロレーンのお姫さまみたいでとっっっっっっっっってもかわいかった!あんな子に好き♥好き♥て顔されたらほだされずにはいられない、ブテラちゃんは不適な悪役も可憐なヒロインも出来ちゃっていいねえいいねえ。

    筋肉のついた木の幹のような腰回り、傷ついて甘さのない体をその場にふさわしい衣服に包んでハイヒールをカツカツ打ち鳴らす女スパイがシブくてかっこよすぎる。スパイものにありがちな筋だけどロレーンがかっこいいから全然画が持つんだからセロンさまスゲー。

    ところでロシアの刺客さんが顔面に鍵ぶっ刺されたの、今のところ「このやられ方がキュート2017」第一位。

    監督:デビッド・リーチ
    脚本:カート・ジョンスタッド
    音楽:タイラー・ベイツ

    原題:Atomic Blonde


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  • ヘリオアス 赤い諜報戦

    韓国から超小型核兵器が謎の怪盗団「ヘリオス」によって奪われた!韓国政府役人と香港警察の合同捜査に中国の公安がくちばし突っ込んできてどうするどうなる!て話なんだけどなんかこう、週刊モーニングの読み切り掲載みたいな終わり方だった…読者の皆さんからの反応が良ければ連載にするかもですよみたいな…彼らの闘いは、はじまったばかり───!!みたいな…(ニュアンス)

    肉弾戦アクションの魅せ場を若くてきゃわわなおにゃのこジャニス・マンさんがわりと一手に担っていた印象があってなんだか面白かった。ショーン・ユーさん出てたのにちょっともったいなくないかな…警察に連行されそうになった身内を口封じの為に撃つ冷静さ。キムが「彼女はボディーガードだ」て評するけどほんとマジ誰よりもお仕事に忠実だった頼もし~い。

    チャン・チェンさんヘリオスの構成員キム役で出演。韓国・香港・中国陣営が翻訳機使ってそれぞれの言語でしゃべるなかひとり韓国語、広東語、日本語、英語を使い分ける。が、がんば…!上記のジャニス・マンさんが頼れる優秀さんなのに対し身内に対して笑顔全開だったり撃つのをためらったりする安定のアレさ(好き)で非情に徹してくれない。対して敵には容赦ないスナイパーぶり。いい感じに格好良いので続編見たいですね。お召し替えたくさんで目にも楽しい。

    監督、脚本:リョン・ロクマン、サニー・ルク
    音楽:ピーター・カム

    原題:赤道 Helios


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  • 2046

    ある男が木の根元に穴を掘り、その中にささやき泥をかぶせて埋めた秘密がだんだん掘り起こされていく。過去は埋めておけばよかった。千年待ったってあなたは私に会いに来ないのだ。

    「ブエノスアイレス」もそうだったけどシャキっとするのにすげー時間かかるのな主人公。ウォン・カーウェイが描く時間は伸びたり縮んだりせずただただ積み重なっていく…みなそれぞれ時が流れるにつれ次の場所へ移動するのに、下手したらこいつ2046で永遠に彼女を待つんじゃねえのかと困ってしまった。ホテルオーナーのお嬢さんがマダオ(まるでダメなおっさん)に引っかからずに済んでよかったよ。彼女が独り言を言うときの足元、アンドロイドの底が光る靴、酔いつぶれた女の寝乱れた裾を直す描写、ぷりぷりのケツの娼婦を下からのアングルで舐めるように撮るなど、いい脚映画でした。

    ウォン・カーウェイ列車好きだな!なんかサイバーパンクみたいなの撮ったらいいんじゃないかな。

    監督、脚本:ウォン・カーウェイ

    原題:2046


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  • 猿の惑星:聖戦記

    ザ・有終の美!続編の構想とかもう練らんでよろしいかと思いますシーザーの長い戦いはやっと終わりを迎えたのだ…創世記で、どこまでもその木を登って行けと見上げたあの子が約束の地にたどり着き、もう誰にも「家」を奪われることがない。人類の滅亡とか知ったことか!

    猿が馬に乗って襲ってきたり、銃火器で武装して襲ってきたり、戦車に乗って襲ってきたりと勝てる気がしねえカットでお馴染みのシリーズだけど今回もキマってる、ウディ・ハレルソン演じる大佐とシーザーが初めて対峙するシーンなんかあんまりかっこいいので固唾をのんだぞ何だあれ。
    少女にゴリラが花を贈り、少女がゴリラにその花を手向けるとゆードラマティック演出の為だけに「白銀の雪山で一本の木だけ花が満開」とかすげーことしやがるその意気やよし。

    登場人物にものすごくカメラが寄ったどアップが多かった気がするんだけど全然画が負けない。目で語る。くちのきける・きけないに関わらず目で語る。あの眼差しから愛情や、信頼を読み取れるのに、それを表現する手段をもたない、それまで定められた「人間」のワクから逸脱したものは滅ぼすとゆー大佐の考えはなるほど狂気じゃねーの…目にいっぱい涙をためて大佐の話を聞くシーザーのイノセンスさ…あれではどちらが人間かわからん…

    エイプも人間もそれぞれの陣営は一枚岩ではなく様々な思惑があり、時に裏切りがある。けれど「エイプ」「団結」「強い」を貫いたシーザーたちと、壁を築き他者を排し二極に分断した人類とでは戦場の女神はエイプに微笑むのだからいっそすがすがしい。アンディ・サーキスお疲れさまでした、素晴らしかった。シリーズ通してシーザーのモラルコンパスだったモーリスも良かった、シーザーの銃口をそっとおろしてくれる。
    ところでコミカル担当がちょいちょいコミカルしてくるの、わたしあんなどシリアスな状況でのエイプのギャグに慣れてないのでここ笑ってもいいとこよね?えここ笑うとこよね?てちょいちょい戸惑ってしまったぞ~

    監督:マット・リーブス
    脚本:マーク・ボンバック、マット・リーブス
    音楽:マイケル・ジアッキーノ

    原題:War for the Planet of the Apes


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  • アウトレイジ 最終章

    ファッキンジャップくらい分かるよバカヤロー!的なシーンめっちゃにやにやした。

    題字が出るカットからしてもう好きだった1と似て非なる。花菱 vs 張の二大勢力争いを軸に悪党バトルロイヤルかと思いきや、真っ昼間に現れる太刀魚大友さんの存在がずっと主になっていて、大友さんが大友さんのまっとうを貫く話だった。欲と野心にまみれたイマドキな花菱のお偉方に対して、暴走族上がりのチンピラにですら迫力が伝わる張の親分や、任侠のひと大友さんの昔気質なやくざの姿がとってもファンタジー。もう物語の世界にしかいない昔気質の本物。
    松重豊さん演じる刑事さんが権力にひよる上司にがんっがんにキレるシーンとか、全体的にファンタジーでまっとうだった。

    西田敏行と塩見三省のプリキュア花菱とってもプリティーでキュアキュアだった。運転手撃たれてびびり散らかすピエール瀧を尻目にハハハああ可笑しい、て笑うとことかうまいなあ~。塩見三省さんは杖をついてよろよろっとしたたたずまいや声の感じがとても良くて、いいなあ、なまめかしいなあ、ビヨンドと全然違うじゃん~て浮かれてたら、ご病気されてたのですね…なんかすいません…お素敵でした…



    ところでおっさんのアップが多いんだけど、おっさんのたるんだ肌の陰影がすごくなまめかしかった何だあれ…

    監督、脚本:北野武
    音楽:鈴木慶一


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  • 狼男アメリカン

    エドガー・ライト監督が好きな映画によくあげてる気がするやーつをやっと観賞。狼男の現代版リメイク。

    狼男に引き裂かれた人間の破れた皮膚や肉、飛び散る血液、ロンドンでひとが獲物として襲われるシーンなんかホラー映画~なんだけど、デビッドが見る悪夢や、死んだはずの親友が訪ねてきて忠告をくれたり、死者とポルノ映画を見ながら自死について話す映画館のシーンなんかはわりとコメディ~で振れ幅がすごい。思わずくすくすしてしまう系ホラー。
    狼男によっての犠牲者ももちろん出るんだけど、体感的には交通事故でめっちゃひとが死んでる気がした…すごい勢いでカークラッシュしてて笑ってしまう。

    特殊メイクもさほど古さを感じず。べろべろになった皮膚や傷口から肉が見えてる姿で出てきてだんだん腐敗していく親友ジャックくんのビジュアルがくそほどかわいい。

    監督、脚本:ジョン・ランディス(「バークアンドヘア」の監督だ!通りで!)

    原題:An American Werewolf in London


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  • インビジブル・ターゲット

    あっちこっちで爆弾が爆発し、ガラスが割れ、テーブルや椅子は壊れ、ひとが高所から落下し、階段から落ち、車にぶつかり、撃たれ、殴りあい蹴りあう。
    なんてゆーか
    景気がいい。
    爆発するたびいやー派手だなあ!景気がいいなあ!て花火見てるひとみたいになってた。

    アクションもぐるんぐるんしていて楽しい、警察官の制服もお似合いなウー・ジンさん飛ぶわ蹴るわでひとりえげつなく強い。もう笑ってしまう。ニコツェーさん+ショーン・ユーさん+ジェイシー・チャンくんの三人がカフェの乱闘シーンで揃って蹴りかますとこなんかち、チャーリーズエンジェル…!て思わず声が出た。いつも言ってるけどニコツェーさん足技たくさんで見てて楽しい。

    特殊身分」のサニーでお馴染みアンディ・オンくんがわりと切ないドラマパート担当ヨンイー役で登場。人質の子どもに手のひらいっぱいのアメちゃんあげるシーンがあるんだけどお前それ自分で食う用に常備しているのか?かわいいかよ…

    映画の警察は悪党をわりと殺しちゃう傾向にあるけど、僕は警官だ、逮捕する!て「正しい」を貫こうとするワイ(ジェイシー・チャンくん)の姿が、復讐者や無謀者、犯罪者の心を変えていくの切なくも頼もしい。子どもに敬礼をしてもらえるようなまっすぐさ。ワイとヨンイーが友情をはぐくむ展開欲しかったな…

    監督:ベニー・チャン
    脚本:ベニー・チャン、リン・チーマン

    原題:男児本色 Invisible Target


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