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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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この世界の片隅に

あんまり容易く彼岸と此岸が交わるので、全部すずさんの夢か創作の物語で、スケッチブックを閉じたらはいおわり、て無かったことになればいいのにと見てる間中願ってた。さめない夢の中選び選ばれた場所で生きていくすずさんに圧倒的な悲しさややりきれなさを押し退けてあたたかいものが残る。泣く。

すずさんの絵。海を跳ねる兎、広島の街並み、ゴッホみたいなおどろおどろしい空襲、喪失にともなったいびつな線。兎みたいな絵をずっと描いていくだろうひとだったのに、失ってしまった。頭を撫でてくれる手。さようならと振られた手が残像みたいに焼きついている。

どうなるか知ってるのにどうかそんなひどい事をしないで、その鷺を逃がして、どうか無事に逃がしてあげて、てなってた。あの子もその子も逃がしてあげて、誰にも探させたりしないで。

憲兵さんの話し方がすごい憲兵さんの話し方だ!知らんけど!てなった謎の説得力だったってゆーか、全編通して説得力がすごい。こんな風だったんだろうな、戦争ですら日常に溶けていった。あの時代をミクロに追体験する。

監督、脚本:片渕須直
音楽:コトリンゴ


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