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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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Mr.Long ミスター・ロン

東京国際映画祭にて。とても良かった。

暗殺者がおせっかいな地域住人や中国語を解する母子と交流するうち次第に変化していく…みたいなよくあるプロットに、びっくりするほど素直な表現と、胸が痛むような残酷でキツい側面が色を添える。穏やかでコミカルな日常から圧倒的な暴力まで勢いよく噴き上げる終盤は圧巻。

リリーが賢治と恋に落ちる描写が少女漫画もかくやとゆーくらいかわいらしくキラキラいていて監督正気かよと思っていたら、その後物語の暗い面を彼女が一手に担ってしまったくらい酷いことになっていよいよか、監督正気かよ…!てなった。イレブン・ヤオさんのものすごい熱演、笑っているととてもかわいらしいひとなのに、ものすごく壮絶な表情も、見てるこっちが死にたくなるくらい絶望的な表情もする。すごかった。

チャン・チェンさん演じるロンもとても良かった、チャン・チェンさんありきのキャラクターなのでクールぶってて寡黙で、かっこよくて、でもかわいいところもあるんだ~☆てのが余すところなく描かれていてそれな~~~~~!て膝を打つしかなかったもうほんと監督ありがとうございました。あんなひとが「お前あのとき助けた犬か?」てファンタジーなこと言ったり、お料理上手だったりなんて監督はチャン・チェンさん夢女子なのでは…?少ないセリフで、抑えた表情と動作で、けれどロンの戸惑いや優しさや喜びや怒りがちゃんと伝わる。主演男優と女優で両端な表現だな~どちらも素晴らしかった。

同日に「牯嶺街少年殺人事件」を見ていたので、牯嶺街~では誰もみずからの望むように生きられなかったのに対して Mr.Long では主人公の「こう生きたい」が最後には叶うのが、何だか救われたような気がした。SABU監督作品はこれが初めてなんだけど、なんて素直な作品を撮るひとなんだろう。おとぎ話みたい。観終わった後まんまと牛肉麺が食べたくなる。

※ところでPerfumeのライブに行ったことがある身としてはけっこう他人事でいられないシーンが…ぐるぐるぐるトントン、ぐるぐるぐるトントン、よーこ、よーこ、ぐるぐるぐるトントン♪戸惑うロンに分かるよ…てなる…初ライブの自分を見るよう…

監督、脚本:SABU
音楽:松本淳一

原題:Mr.Long


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