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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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シークレット・オブ・モンスター

ライオンが、見逃してやったネズミに後日命を救われたように、誰かが何かを見逃してやっていれば、独裁者は誕生しなかっただろうか。かんしゃく持ちの少年の中にあった素養が、周囲の大人たちの言動を栄養に成長していく。
プレスコット役のトム・スウィートくんのきれいさの説得力よ…ととのった顔の子がするにくにくしげな表情の迫力…

モナが「ご一家の破滅に残りの人生を懸けます」って言ったシーンがものすごく好き。ひとがひとに呪いをかけるのを目の当たりにした。この映画ではたくさん「秘密」の場面をみるけど、あそこだけすとんと「そうですよね」ってなる…

集中を強いてくる音楽とカメラさん、美術さんのいい仕事。冒頭、暗闇の中大統領を歓迎する国民も、終盤独裁者プレスコットに熱狂する国民も、わたしにはなんとなく恐ろしく愚かに見える。素養のある生き物の中に衆愚のエネルギーが流れ込み、「独裁者」を作り上げる。プレスコット本人にもコントロール出来ず、民衆は弱いものから犠牲になっていく。破綻を予感させるありようがしみじみ悲しい。

監督:ブラディ・コーベット
脚本:ブラディ・コーベット、モナ・ファストボルド
音楽:スコット・ウォーカー
撮影:ロル・クローリー

原題:The Childhood of a Leader


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