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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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哭声 コクソン

彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。
そこで、イエスは言われた。
何故うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。
私の手や足を見なさい。まさしく私だ。触ってよく見なさい。
亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、私にはそれがある

(ルカの福音書)

犬が死んだからダメです(定例報告)あと鶏もめっちゃ死ぬからダメです。

2017年、SNS上でコクソンを見たひとが「祈祷フェスすごかったwww」みたいな感想を上げているのを見て祈祷フェスってなんだよ!ていたいけなライトユーザーは戸惑いを覚えたものです…
実際見てみたら意味分かったよねなるほどすげえや祈祷フェス…!(噛みしめ)

村で起こっているいたましい殺人事件の数々は謎の日本人、國村隼による呪いの仕業なのか、それとも幻覚キノコによる精神錯乱が原因なのか、警察官だけどビビりめな父親は様子のおかしくなった娘を救うことができるのか…みたいなサスペンスムービー。

冒頭ルカの福音書の引用が出るので、キリスト教を元にしているのかなとまず思った。謎の女が「鶏が3回鳴くまで待て」とか言うから、こいつがキリストかな、まーたこいつらは弱い人間の信仰心を試してんだな腹悪ぃぜ、と次に思った。最後を見て、國村隼は反キリスト的な何かだったのかな、キリストの真似事をして、最後に正体をあらわにした、と思った。

んだけど監督のインタビューを読んだら「エルサレムに住むユダヤ教徒から見たキリスト」がモチーフになってるそうでした~手に聖痕がある~そうか~てへぺろ~

老若男女問わず泣く、叫ぶ、感情をこれでもかとあらわにする躁的な感じがアジア…!てなる。家にテレビやスマホやピアノがあるのに洗濯機はない、家族の様子がおかしいから祈祷師を呼ぶ&そんなばかばかしいって止めるひともいない、韓国のたぶん田舎の村で、不安や疑念をどんどん育ててヒステリーみたいになっていく主人公…令状なしの家宅捜索とかまず任意で署までご同行願うわけでもなくまんまと証拠隠滅されちゃうとかどうなってんだよ。子役の子は「エクソシスト」のリーガン以上の熱演を見せ、血まみれのよそ者國村隼が全然信用できない異質さを見せる。祈祷師は祈祷フェスを開く。
正体が分からない相手、原因が判然としない事象を前に男達が奔走するが、事態が改善するか誰にも分からないし手ごたえもないからただ息苦しく焦燥感が募る。ちょっと長いと感じたけど、とてもよかった。色んなところが似ているかなとちょっと思うのに全く違う隣の国がキリストを描くとこうなるなんて面白い。

監督、脚本:ナ・ホンジン
音楽:チャン・ヨンギュ、タル・パラン

原題:The Wailing


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