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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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ボス・ベイビー

なんというラブ・ストーリー!ここで言う「愛」はローマンティックなやつじゃなくて、ひとがひとを慈しみ育む方のやーつです。「愛を知らない」という者に「これが愛ですよ、よければあなたに差し上げます」と示す、押しつけがましくなくて誠実で、底抜けにやさしいストーリーに感嘆。

空想癖のある7歳の少年ティムの目線で物語が進行するので、自宅や近所がジャングルだったり、海底だったり、牢獄だったりと容易に極彩色な夢の世界に変化してしまうのがとても目に楽しいし身に覚えがある…。ティム目線での「赤ちゃんが家にいる」光景が現実のそれよりはるかに「エイリアン来襲!」っぽくなっているのとか、デフォルメの加減がお見事。ちびっこは多分単純に見ていてわくわくだと思うし、一緒に見ている大人は夜泣きにテンパる描写とか、リビング~ダイニングがあっという間に赤ちゃんのもので埋め尽くされていくのとか(ここすごいリアルだった…)、ホームアローンとかインディジョーンズとかメリーポピンズとかのパロディに良くも悪くも心を動かされるのじゃないかな~

寝る前に両親へ絵本の読み聞かせ、抱擁、お休みの歌のフルセットをねだっていたような甘えん坊の少年が、今まで自分が独占していた「愛」を、君に全部あげるよと言えるところまで成長するのはとても美しい。産まれる前からあんなにしっかりと愛されていることが分っているならそりゃもう安心だし喜びで胸がいっぱいだろうともよ。色とりどりのビーズのような愛が降り注ぎ子どもを安心させる愛の歌が唄われる。頼もしくて安心する話だった。

ところでこの映画でまさかスーパーヒーロー着地を見るとは思わなかったのと、○○なエルヴィス6人くらいの声優を宮地真守がひとりで請け負ってて「そ-ゆーの山寺宏一の専売特許じゃねんだ…」てなったぞ~

※「今度はちゃんと育てる」って台詞は、フランシスよりも兄への救済なように感じた。たいていの親は誤った子育てを正すチャンスを持てない

===

同時上映の「ビルビー」も良かった~思わず触りたくなる毛並みの見事なこと!自分ひとり生き残るのに必死なのにたまたま見つけた赤子のためにせわしい呼吸に上下する胸をおさえて高所からジャンプする、こちらも「愛こそすべて」なお話だった。

監督:トム・マクグラス
脚本:マイケル・マッカラーズ
音楽:スティーブ・マッツァーロ、ハンス・ジマー

原題:The Boss Baby


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