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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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デトロイト

何かが起こる、何か酷いことが、とハラハラする嫌な予感で満ちた緊張感たるや。けれどわたしはミシガン州警察が「デトロイト市警は常軌を逸している」「証拠もないのにホテルの宿泊客(黒人と露出の激しい服を着た若い女)を尋問している」「彼等は差別主義者だ」「黒人にも人権はある」まで分かっていて「人権問題に首を突っ込むのはごめんだ、この件は奴らに任せよう」とあの場から立ち去ってしまった段階でわりとバッキリ心が折れてしまい、以降何を見てもいちいち悲嘆に暮れていられなかった…格ゲーで死体蹴り食らっている気分…ただただ「執拗」だと感じていた登場人物の心理にフォーカスするようにぎゅわっと寄るカメラ(「ダーク・プレイス」のカメラマンさんだったバリー・アクロイドさん)、見込み捜査よりもタチの悪い、自分たちの描いた画の通りの証言と証拠の提供を求める警官たち、これはいつ終わるんだ?なんと答えれば正解なのだ?と尽きない疑問を抱えたまま被疑者と共に廊下に立たされる。憎悪と権力と銃を持った人間がそれを喜んで行使するおぞましさ、ターゲットになってしまった者がどうされるのか、そして生き残った者がどうするのかが「執拗」なカメラワークで描かれる。長いよビグロー姐さん…


歌手ラリーはたったひとりでステージに立ち誰もいない場所に向いて歌っているのが印象的。観客が全員避難した後の劇場で、壁に手をついて神に祈りながら、そして教会の聖歌隊として。神さまが拍手してくれる日は来るだろうか。

監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

原題:Detroit


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