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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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レディ・プレイヤー1


Ready? Player 1 \Yeah!/

底の浅いライトなオタクなので、わーあのキャラが!このネタもこのオマージュも!みたいな興奮はあまりなかったんだけど、メカゴジラの出現とともにゴジラのメインテーマが流れた時は胸にこみあげてくるものがあった…最先端の映像体験、とびっきりの未来技術の話なのに、「なつかしい」という感情が持つ強力な力を奮って我々に訴えかけてくる。このお話はほとんど「過去」でできている不思議。

便利すぎるテクノロジーは危険が危ない、みたいな話を撮ってきたひととゆー印象のあるスピルバーグが「何でもできる夢のVR映像体験」の映画を肯定的に撮るなんてどんな心境の変化だろうと思ったけど、最終的には「現実に勝るものはない」というあっはい…スンみたいな結論に至ってて笑ったテクノロジーに寄り添う姿勢を見せるかと思いきやスピルバーグはスピルバーグだった。

そして巨匠は決して各種サブカルのひとではなく、ゲームのひとでは決してなく、映画のひとだな~とつくづく感じた。世界中の人が同じ中継影像を一心に見つめ、そこに映っている主人公と同じポーズをとり、歯を食いしばって早く!早く!と祈るように口にする姿。あれこそ映像の持つ力で、映画館で映画を見ている時の我々の姿で、監督が観客に望む姿なのではないかな~なんてことないシーンなんだけどここが一番ぐっときた。

ところでサイモン・ペッグ!人類の親友!僕の私の俺のあたしの青春時代を共に過ごしたい相手第1位!どんなにレベルをあげてもコインを貯めても得ることができない稀有な存在!ばらのつぼみ!めっちゃヒロインだった…夢のように優しい声のマーク・ライランスさんとぺぐさんが話しているシーンのなんと耳に心地よいこと。モローとハリデーの蜜月から愁嘆場まで全部くれよ~

技術は進歩しどこにでも行けるし何にでもなれるし何もかも手に入るのに、ひとはどこまでも過去に戻りたがり、現実で手に入る幸福の質は変化しない。友人と語らいおいしいご飯を食べる。あのサービスの名前が「オアシス」なのはとても残酷でいいな~過酷な砂漠(現実)を渡る旅人の喉をひととき潤す緑地、近づいたら近づいただけ離れていく蜃気楼、幻。夢のように遠くにあって、見えるけど手に入らない。夢中になってゲームで遊んでいる子どもの頃の自分を眺めるのが好きだといったハリデー。オアシスを離れ現実に居場所と喜びを見出したウェイド。過去を眺められるだけ進歩した技術から我々はやがて離れ現実へ帰っていく。ちょっとさみしい結末だった。

監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ザック・ペン、アーネスト・クライン
音楽:アラン・シルベストリ

原題:Ready Player One


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