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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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ディス/コネクト

Facebookで全く会ったことのない女の子と「友達」になる、ライブチャットで自慰行為を配信して金銭を得る、コミュニティチャットで見ず知らずの相手に自身や家族の問題を何でも打ち明けてしまう…インターネットを介して登場人物たちは容易に誰かと「繋がる」が、距離を見誤りそれぞれ問題に直面する。たとえ友達だろうと裸の写真を送ってはいけないし、パスワードを誕生日にするなんてもってのほかである…インターネットは相手を傷付けない程度の嘘を言うところですよ…

息子の自殺未遂の原因を突き止めようと「ジェシカ」の詮索に躍起になる父親に、そうやって罪悪感を減らそうとしてるだけでしょ!弟は友達がいなかったバカにされてた!なのに私は何も気付かなかった!て慟哭するお姉ちゃんが一番イノセント。彼女が意識不明の弟について話しているすぐ隣で友達(?)が無神経にもどうしよう彼に誘われちゃった!てはしゃぐシーンはしんどかったな…彼女と彼女が「繋がっていない」ことがはっきりと視認できてしまう…

グリロさんシングルファーザーの役で、多感な15の少年期にこのお父さんは合わないととことん合わないだろうな~と思った。自分のやる悪いことは読まれてるのに肝心なところ、気付いて欲しいところは全然気付いてもらえないなんて子どもからしたら物足りないに決まっている。ママにこんなところを見られなくて良かった!て台詞のいやらしさ。それとは別に対外には社交的で終始にこにこしていてたいそうきれいでした。

単に「ネット社会は人間関係が希薄」という話でなく、「適切な距離を見誤った」ひとたちの話なような気がした。あっと言う間に過剰なほど距離が近くなり見極めが難しいネットと、隣にいるからといって理解しあえているわけではない現実の人間関係の描写の中に、SNSを介して本音を吐露しあう「ジェシカ」とベンとリッチの切実さがディスプレイの灯りみたいに淡く光る。ベンの作った曲のアレンジが繋ぐ「分断」と「再接続」のシーンの美しさ。きっとベンの意識は戻ると希望を感じるラストでした。


監督:ヘンリー・アレックス・ルビン
脚本:アンドリュー・スターン
音楽:マックス・リヒター

原題:Disconnect


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