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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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  • ローガン・ラッキー

    「オーシャンズ」シリーズ見た時も思ったけど、

    犯罪ってすげー手間がかかる。

    なんとゆー準備と根回しの連続!
    計画を練り、仲間を集め、下見をし、必要なものを集め、情報を集め、トラブルを想定し、プランBを練り、協力者を集め…実際に現金強奪作戦を決行するまでちゃくちゃくと準備と根回しをする姿に、強盗成功させんのってちょう大変じゃん!こんなん心が折れるわあんたらすげーな!てなること請け合い(てきとう)
    すべきことを黙々とこなすローガン一家の「これがはじめてじゃない」っぷりが見ていて可笑しいし気持ちいい。そもそもむっちむちテイタムさんと壁のようにぬんと立つアダム・ドライバーが兄弟って時点ですでに何だか可笑しい。兄ちゃんを殴った奴は車に火ぃかけちゃるぞ!MI6辞めたダニクレもおっさん丸出しでめっちゃ楽しそうだった。

    労働者階級の勝ち組になれない白人、州境のこちら側、ローガン家の呪い。うんざりする状況に真っ向からケンカを売って、見事1ポイント先取したジミー・ローガンに祝福の「カントリー・ロード」が響く。子役の子またちょうどいいバランスの子見つけてきたなすきっ歯で歌も上手すぎず。過不足なく楽しかった。ゲースロの話はあんまりしないであげてよお。

    監督:スティーブン・ソダーバーグ
    脚本:レベッカ・ブラント
    撮影:デビッド・ホームズ

    原題:Logan Lucky


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  • オリエント急行殺人事件


    何度目だオリエント急行の殺人!

    世界規模でオチが筒抜けになっている話を懲りずに再映像化するチャレンジ精神に驚嘆するぜ!

    まあでも「あれ犯人ヤスだよ」的にネタがバレてる話をそのまんまやってもつまんないってんで、ポワロがすごい髭の、わりと動ける、正義か悪しかねーから!中間とかねえし!てゆー極端なやつになっていたり、トリックはあっさりだったり、「多用な国の、多用な人種が乗っている寝台特急」の描写が強調されていたり、アクション要素があったりしている(華麗な回し蹴りかますセルゲイ・ポルーニンさん!)。すごい髭のポワロが動物の糞をうっかり踏んでしまって「片足だけだとバランス悪いから」ってもう片っぽの足でも踏むシーンとかもうそれだけで何度目だオリエント急行の殺人なフレンズは

    こ、このポワロいつものと違うな!?

    て分かる。差別化のこころみ。好きか嫌いかは別として。はじめましてのひとにはふんふんポワロってこんな感じなのねってなると思う。多分。知らんけど。

    列車が舞台で空間に制限があるので車両を駅側から横スクロールで撮ったり、天井からの視点で通路や客室を撮ったり、橋の上に停車した車両を下から上へと撮ったり、撮り方が面白いなと思ったシーンがいくつか。歩く速度のひとを追いかけ、追い越すカメラさんのいい仕事。かと思えば最後の晩餐みたいなカットがあったりしてびっくりする。いいところはたくさんあるのに振り返ってみるといまいち釈然としない…ケネス・ブラナーとはなかなか分かり合えない…

    監督:ケネス・ブラナー
    脚本:マイケル・グリーン
    音楽:パトリック・ドイル
    撮影:ハリス・ザンバーラウコス

    原題:Murder on the Orient Express

    ===

    オリエント急行の殺人の映像化はデヴィッド・スーシェの「名探偵ポワロ」のやつがとても好きなのでどうしても比べてしまう、てのが釈然としないあれかもしれない。名探偵ポワロはいいぞ…流した涙も凍るような極寒の冬景色の中に置きざりにされるような何とも言えない気持ちになるよ…名作…


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  • パターソン

    ほとんどホラー映画の文脈な気がする…なんっとなく不穏な音楽にのせて流れるバスの様子や、夢のようにふわふわした奥さまや、繰り返し映る双子や、バーのネオンサインの色彩、世界を支える巨人のようにぬんと立つアダム・ドライバー…どうしてか不安な気持ちにさせてくる…のに結果そーゆー話ではなかった…この奥さまは実は死んでいて家の中は血まみれなのでは…とか犬がワンジャックされてしまうのでは…とかバスで事故が…とかバーで事件が…とかちょいちょい身構えていたけど凄惨な事件は起こらなくて、あれ?てなってしまった。

    音楽家が道の途中で悪魔と出会うように、詩人は詩の天使に会うみたいなことなのかな。平凡で決まりきった毎日です、みたいな顔をしているけれど、あなたは詩人だし詩的な出来事に囲まれているとあちこちで合図がある。ひらめきやヒントが次々に送られ、失ったと思っても手元に戻ってくる。そうやって続けたひとたちが新聞に載って、殿堂の壁に飾られる。きっとパターソンもいつかあそこに並ぶんだろうな。創造するひとを肯定する、えらくやさしい話だった。

    監督、脚本:ジム・ジャームッシュ

    原題:Paterson




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  • 探偵はBARにいる3

    前作「探偵はBARにいる2」がとても愛しにくい映画だったので、期待値低~い状態で見に行ったんだけどちゃんと普通に楽しかったです。こんなもんだよな~

    長回しのアクションシーンはスローで動いたのをハイスピードカメラで撮ってるっていんたびゅで大泉さんが言ってたけど、見慣れないせいかおお~すごい!迫力!ては思えず…スローの画を効果程度に入れるか、早い動きの方が良かったんじゃないかな~と思ってしまった。そしてこのシーンで使ってるのの三分の一くらいの音量でいいから探偵がマリをビンタする時のSEに使ってあげて欲しかった…た、探偵が殴った!みたいな衝撃がなくてそっと微笑んでしまった…

    シリーズ物の醍醐味「レギュラーキャラを愛でる」の部分は文句なしにみんなかわいかった特に高田くんがね…後輩や恩師とちゃんとコミュニケーション取れてる、社会人の真似事が出来ちゃう、ヘルプコールも出来ちゃう、てすごいじゃん高田くん、ちゃんとしてんじゃん…てにやにや。地面に倒れている探偵に手を差し出して助け起こしてやるとかそーゆー男ですよ高田くんは。得難い友達ですよ。そりゃ別れ道で予定よりも長めに振り返って見つめてしまうわな…
    あとあっちゃんが。あっちゃんはどんな映画のなんの役でもあっちゃんですね、あのぐにゃぐにゃしていまいち信頼のおけない登場人物感。あっちゃんにまたホラー映画に出て欲しいな…SAWみたいなスリラーで被害者かと思ったら犯人みたいなあっちゃんが見たいよ…

    キャラクター、ロケーションとおおむね楽しいんだけど、動くひとを撮るカメラがけっこうぶれるとか、ひゅーかっこいい!てキマる画が少ない気がしたとか、細かいとこがもっとこう…てなっちゃった。もどかしい。

    監督:吉田照幸
    脚本:古沢良太
    音楽:池頼広




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  • ジャスティス・リーグ

    「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」でスーパーマンが死んでしまい、世界からは希望は失せた…もうだめだ…死ねば助かるのに…みたいなドン暗いところから始まる。きっと監督がザック・スナイダーのままだったらサイボーグの腹に穴が開いたりバットマンが瀕死の重傷を負ったりしてヒリヒリしたんじゃないかなと思うんだけど、今作はスタートのドン暗さからけっこうなスピードでトップギア入って希望の火が灯る。ざっくりサクサク進行。

    上映時間120分。素晴らしい。

    (ジャスティスの誕生は上映時間152分)

    はじめての引率に戸惑うバットマン先生とワンダーウーマン先生、同じくはじめての友達に戸惑うサイボーグくんとフラッシュくんとアクアマンくん、立ち位置的に引率なのに生徒みたいに自由にしてるスーパーマン先生によるはじめての課外授業:地球侵略を阻止せよ!の巻でした~各々傷を抱えてひとりでやっていこう…て殻にこもっていたキャラクターが一緒にやってみよう!と不器用に歩み寄る姿が微笑ましい。ドラマ版よりはるかにコミュニケーションに難あり風な(あくまで風な)バリー・アレンのエズラ・ミラー力(えずら・みらーぢから)におののいたかーわいこちゃーん…あの子の「OK」のバリエーションったら…横たわる裸婦像みたいなポーズも見せてくれて大変満足でしたありがとうございました…

    アビリティ的な魅せ場はリーグのメンバーはもとよりアマゾンの戦士たちによる「箱」のリレーのシーンがピカイチでした工夫満載でちょう楽しい。映画「ワンダーウーマン」と今作では衣装デザイナさんが男性に代わってしまい、アマゾネスの鎧が露出の多い実戦的でないものになってしまって残念、みたいな意見を見たんだけど、落とし戸を支える戦士たちのあの腹筋を見てしまったらわたしは何も言えなかった…ちょうかっこよかった腹筋…二の腕…ふともも…

    「希望」は失せたとうつむく人々の前に、旗をひるがえし我々に続けと宣言するヒーロー達のはじまりの話。続編があるとしたら、ダークにシリアスになりすぎないといいな…ベンアフのブルース・ウェインはかわいいし上手いんだけど、一連のセクハラ関連の情報が目に入るたびにげんなりしてしまって、楽しみ楽しみ!て手放しになれないのだった…

    監督:ザック・スナイダー
    脚本:クリス・テリオ、ジョス・ウェドン
    音楽:ダニー・エルフマン

    原題:Justice League


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  • PK

    とても良かった。「うさんくさい」と思ってしまった「宗教」に対してとかく攻撃的になりがちだと思うんだけど、PKの指摘は真摯でやさしい。信仰は生きるよすがになる大切なものだという点は肯定し、「神さま」との仲介をする「代理人」に注意をうながす。領収書を受け取るまで帰っちゃだめよ!

    そもそも「宗教」って生きづらい時代のひとが生きやすく、もしくは死にやすくするために開発して、それで金や権力を維持したい人たちがシステム組んで運営しているものだと思っているので、あんなに純粋に「神さまが助けてくれるんだ!すごいじゃん!」て信じてくれちゃうPKに頭が下がる…疑わない宇宙人…でかい目をぎょろぎょろさせるアーミル・カーンさんはほんとに無垢に見えるね…

    あのパキスタン大使館の職員の皆さんもうほんっとうにめちゃくちゃ嬉しかっただろうな~いちいちみんなかわいかった。元気が出る。いくつもの姿を持ちそれぞれの名前で呼ばれる「神さま」と、それを信じ宗派ごとに分断する人間や国、親子、恋人同士に、やさしく寄り添ってくれる迷子の宇宙人。必要なのは「信仰」であって「宗教」ではない。

    監督:ラージクマール・ヒラーニ
    脚本:アビジャート・ジョーシー、ラージクマール・ヒラーニ
    音楽:シャンタヌ・モイトラ、アジャイ=アトゥル、アンキト・ティワーリー

    原題:PK


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  • シークレット・オブ・モンスター

    ライオンが、見逃してやったネズミに後日命を救われたように、誰かが何かを見逃してやっていれば、独裁者は誕生しなかっただろうか。かんしゃく持ちの少年の中にあった素養が、周囲の大人たちの言動を栄養に成長していく。
    プレスコット役のトム・スウィートくんのきれいさの説得力よ…ととのった顔の子がするにくにくしげな表情の迫力…

    モナが「ご一家の破滅に残りの人生を懸けます」って言ったシーンがものすごく好き。ひとがひとに呪いをかけるのを目の当たりにした。この映画ではたくさん「秘密」の場面をみるけど、あそこだけすとんと「そうですよね」ってなる…

    集中を強いてくる音楽とカメラさん、美術さんのいい仕事。冒頭、暗闇の中大統領を歓迎する国民も、終盤独裁者プレスコットに熱狂する国民も、わたしにはなんとなく恐ろしく愚かに見える。素養のある生き物の中に衆愚のエネルギーが流れ込み、「独裁者」を作り上げる。プレスコット本人にもコントロール出来ず、民衆は弱いものから犠牲になっていく。破綻を予感させるありようがしみじみ悲しい。

    監督:ブラディ・コーベット
    脚本:ブラディ・コーベット、モナ・ファストボルド
    音楽:スコット・ウォーカー
    撮影:ロル・クローリー

    原題:The Childhood of a Leader


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  • ブレードランナー2049

    ※前作「ブレードランナー」は見てない

    犬が(多分)死なないのでいい映画です(定例報告)
    ドゥニ・ビルヌーブ監督の映画は音がびりびりびりびり響いて緊張をあおり、かと思えば無音になって集中を強いてくる…もうど頭SONYの文字が出てくるところから音がすごい。

    奇跡を見る映画、なのかな。途中までは捜査官Kがその「奇跡」なのかと思いきや違った、Kと一緒になって奇跡を目撃し見届ける話だった。見て、知ってしまったら、これまでの生き方にあまんじることは出来ない。

    レプリカントのKは「人間もどき」と蔑まれ、プログラム?のジョイは「中身がない」と軽んじられる。「人間ではない」存在は抑圧され「本物ではない」と尊重されない。製造番号しか持たず名前がない存在は愛されていないし、望まれていないし、特別にはなれない。手の甲で溶けて水になるひとひらの雪みたいに全然確固としていない彼らの、けれど愛やら魂やらが「本物じゃない」なんてどうしていえるのだろう…ホログラムのジョイが椅子に座ろうとするのを見てとっさに椅子から足をおろすK、「殺される」と悟ってKに「愛してる」と遺言を残すジョイ。本物は見ればわかると思ってしまうのは感傷的すぎるだろうか…

    見方によってはスペシャルにも、何者にもなれない存在にも見えるKはライアン・ゴズリング適役だと思うな~何者にもなれない我々を奇跡へと導くスコープ。特別でない自身を肯定するきっかけ。

    しかし攻殻機動隊のマンガ読んで、いつかこの肉体を出ることができるようになる、てわくわくしているので、2049で「愛するひとにさわりたい」て普遍的な欲求が描かれ身体が重要視されているのを見ると、わたしが期待しているSFとは違うな…てどうしても思ってしまう…

    ところでトーマス・レマルキスさんが出てるなんて知らなかったぞ!もともと「キャプテン・フィリップス」で海賊ムセ役だったバーカッド・アブディさんが出てるって聞いて見に行ったんだけど、急に美人が出てきて嬉しい驚きだったわーいわーい。

    監督:ドゥニ・ビルヌーブ
    脚本:ハンプトン・ファンチャー、マイケル・グリーン
    音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ、ハンス・ジマー

    原題:Blade Runner 2049


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  • ジグソウ ソウ・レガシー

    帰って来たよ!ジグソウ先生の「お前に生きる価値があるのか試させていただく」ゲーム!

    なにさまだ!

    しかしSAWシリーズを全く見ていなくて、今作で晴れてSAWデビュー☆みたいなひとがいたとしたら、そのひとはこの「ジグソウ」でちゃんとびっくり仰天してくれるかな…てなんかちょっと心配なところがある…。わたしはSAW一作目でとても素直にええー!?てなったのであの衝撃を初めて見るひとにじゃんじゃん味わってほしいんだけど、「ジグソウ」はまだ個人が行う犯罪としては規模が大きいし大仰なので、準備どうやったの…?て見てるひと冷静になっちゃうんじゃないかなと心配…お願い我に返らないで…。

    ゴア描写とゆーか、ゲーム参加者にえんえん叫ばせるような嫌悪感マシマシ描写はおさえめ(な気がした)で、奇をてらおう、原点に帰ろう、とゆー気概は感じたのでそこは好感です。正直きっとつまんないだろうな…て覚悟しながら見に行ったから意外と楽しめてしまって驚き。トビン・ベルさんの声でしゃべられるとやっぱり嬉しくなってしまったんだよなあ。

    シリーズを見ていてジグソウ先生のやりくちに慣れている観客はお前が最前列だな!てすぐ分かるし、そんな無造作に装置引っ張ったら糸ぴーってなって仕掛けが作動してしまう!あほら言わんこっちゃない!てなること請け合い。

    監督:マイケル・スピエリッグ、ピーター・スピエリッグ
    脚本:ジョシュ・ストールバーグ、ピーター・ゴールドフィンガー
    音楽:チャーリー・クロウザー

    原題:Jigsaw



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  • マイティ・ソー バトルロイヤル


    I've been falling…for 30 minutes!

    いい。わたしも椅子から立ち上がってッシャオラァ!思い知ったかー!てやりたい。ワイティティ監督とは笑いのツボが合わないので腹抱えて大爆笑!てはならなかったけど、ゴキゲンかっこよバトルと、何よりも「より良く変化しようとするものが勝つ」て姿勢がいい。

    より一段とハンマー使いが上達した冒頭ソーのバトル、近距離と同時に遠距離攻撃を行い空挺までも落とすヘラさまのアクションかっけーかっけー、これゲームだったらやりたいコントローラーどこ?中でもヴァルキリーVSヘラの荘厳かっこよバトルの模様は額装して美術館に飾って欲しいくらいだった…どこまでも絵になるケイトさまとテッサちゃん…

    個人差はあれどキャラクターに変化が見られるのが何だか感慨深い。ソーは分かりやすく成長したな~とゆーかロキの扱いが格段に上手になった。ロキとバナー博士はこれからもっと変わっていくのかな…?誰からも憎まれている、嫌われていると思っていたふたりが、必ずしもそうではないと思えるようになるといいな。ロキは言動のはしばしから愛されたい認められたいってのが伝わってくるし、今作のハルクはきかん気の子どもみたいでちょっと切なかった。
    ところでヘラがロキに「物言いがオーディンにそっくり」ていうところとてもグッときた…血がつながっていなくても、親子だってすぐまわりには分かってしまう…

    大切なのは場所ではなく、民であるということ。今並んで見ているこの景色こそが故郷であると言う王と、流浪の民たち。破壊と略奪を繰り返すのではなく、今よりもより善く変化しようと新天地を望む者たちこそが勝利する。MCUもどんどんよく変わっていってほしいな。

    監督:タイカ・ワイティティ
    脚本:エリック・ピアソン
    音楽:マーク・マザースボウ

    原題:Thor: Ragnarok


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  • シルク

    幽霊を捕獲し、死を超越したいってゆーか、病気で死期が近いし体はままならないしで散々だから死後に活路を見出したい江口洋介に振り回されるチャン・チェンさんの話。死ねば助かるのに…

    ちゃんと質量を感じる白塗りの幽霊がわりとぬるぬるぬるぬる動くので、恐怖度は大変に低い。死んだ子ども、その母親、母の延命を続ける息子、今まさに死にかけている母親、てゆー二組の親子の描写は良いと思うんだけどな~夢のようなお花畑の中に死体がぽつんとひとつある画のロマンティックさ。

    チャン・チェンさん優秀さを見込まれて江口の部下に引っ張って来られた刑事さん役。日本語も話すよ。終盤すったもんだの大立ち回りで盛大に怪我して鼻血吹いてのサービスカット満載。対峙した幽霊相手に挑むように不敵な顔をする。血濡れの美人はいいものだ。

    監督:スー・チャオピン


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  • 道士下山

    世間に出て見聞を広めてらっしゃい、と体よく厄介払いされた道士が街でさまざまなひとと出会い成長していく、「魔女の宅急便」的なあれです。

    女性のみならず男性にも花を背負わせるその意気やよし!手足ぐわんぐわん振るのが映えるかわいいワン・バオチャンさん、きれいなアーロン・クォックさん、チャン・チェンさんに黄色だの桃色だの白だの可憐な花を合わせてくださる取り合わせ、ありがとうございます。はしご状になった花棚の上を歩く女を下から撮るとゆーフェチいカットがあってくっ…好き…てなった。命を謳歌するように咲きこぼれる花々の、ハッとするほど美しい画を急にブッこんでくる。

    チャン・チェンさん役者のジャー役で出演。アーロン・クォックさんと戦場で出会って山で一緒に修行して、いまわの際にひとめ会いたいと思うくらい大切な友だちって設定だったのでひぇってなった…見つめあうきれいな人たち…敵の攻撃くらって鼻血をふく、不適にニヤリと笑う、服の裾ばさばさする等目に嬉しいシーンたくさん。

    監督、脚本:チェン・カイコー


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  • IT/イット ”それ”が見えたら、終わり

    こーれーはー「夕闇通り探検隊」がやりたくなる。

    Welcome to losers club, asshole!
    (フルスイングばこーん!)

    怖がらせ方がわたしのツボとは違ったので、ホラー映画とゆーより「イケてない僕らのキラキラ物騒な夏休み、ペニーワイズさんもいるよ!」て感じだった。

    地下室、壁にかかってる変な絵、火事、昔あったこわい出来事、帰り道にある荒れた空き家、ピエロ、「血」と「大人」…子どもの頃こーゆーの怖かったよな~て共感しちゃうアイコンが散りばめられてる。けどどしゃー!とデーハー(派手)なペニーワイズさん演出の恐怖表現より、いじめっ子がナイフで切りつけてきたり、親が子を虐待をしている描写の方がはるかに恐ろしいしキッツい…ピエロかすんじゃった…女の子の描き方とか色々つらかった…ペニーワイズさんはどっちかっつーとはっちゃけてて楽しそうだったな~いちいち大仰なんだよ~

    ペニーワイズさんがもっとガンガンに怖いのかと思ってたのでちょっと拍子抜け、みずからの恐怖に打ち勝つ少年少女の物語だった。風船、終盤の「ぷかぷか浮いてる」の描写、ラストバトルにおけるペニーワイズさんの変幻自在さ等々、ファンタジーな表現は大変好み。

    監督:アンドレス・ムシェッティ
    脚本:チェイス・パーマー、キャリー・フクナガ、ゲイリー・ドーベルマン
    音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ

    原題:IT


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  • ELLE エル

    ううーん難しい!どう解釈したらいいのかいまいち掴みきれない…うーんうーん…

    ぼんやりと思うのは、ミシェルは加害者になりたかったのかな、とゆーこと…周囲はそうと思わないけれど、ずっと被害者だった人生。父親がしたことによって生き方を左右されてきて、母親は忠告もきかず若い恋人に入れあげ、息子は乳母役をしてくれた親友の方になついていて、その嫁はちょう気性激しくて敵対心むき出し。旦那は彼女に手をあげ、離婚後は若い女と親密になり、親友の夫はミシェルを気遣わずに体を求めてくる、そしてレイプ…タフに自由に生きているようでいてずっと他者にコントロールされてきた人生の舵を取り戻したかったのかな…とかぼんやり…うーんうーん。最後に残ったのが「息子」と「親友」とゆー、彼女が自分で選んで側に置いてるものなのが少しホッとする。

    「目をくりぬく」て表現が印象的。現場を見つめる猫の目、写真に撮られた少女の眼差し、冷たい温度のミシェルの目、観察する視線…あの目で断罪されるのを想像したら、死にたくなるのも無理はないかもな…こわい…圧倒的ユペールさま…

    ところでレイプ犯の家族の台詞にお、おお…てなった…ミシェルの行動はトンでもなように見えるけど、本当に邪悪で闇が深い生き物のおこないは彼女の比ではない…

    監督:ポール・バーホーベン
    脚本:デビッド・バーク
    音楽:アン・ダッドリー

    原題:ELLE


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  • ドリーム

    やっかいごとを起こさないで、あなたが我慢すれば済む話でしょう?と言う人々に、うるせえばーか!と言い返すような気概を感じる…

    この子は天才だ、いい学校に入れてあげなきゃ、奨学金も出しておげなきゃ!てゆー先生や、君は臨時雇いの計算係だけじゃ勿体ないよ、技術者になるべきだ!てゆー同僚さんの存在の心強いこと。まだ人種・性差別色濃い60年代、普遍的に差別も偏見も存在し(白人・男性はそれが差別だとも思ってない)社会は不条理で、君たちの名前は必要ないと「黒人女性」のワクに埋もれさせようとしてくるけれど、彼女たちを後押しし、重用し、能力を発揮する手助けをしてくれたひとたち。行く手を阻むことだけしないでいてくれたらいいのだ、余計な邪魔さえなければ、彼女たちはどんどん結果をだすのだから。

    不公平な扱いにもう、心底、うんざりしているだろうに、腐らずお仕事に身を捧げるキャサリン、ドロシー、メアリーのかっこいいこと!大声で怒鳴り散らかして、でもすぐ息を整えて「だから、お許しください」とフォローするキャサリン…いたいたしいほどに理性的…タラジ・P・ヘイソンさんの熱演…理詰めで、実力で、先を読む力で、着実にゴールに向かう姿はかっこよくて頼もしい。色とりどりのスカートの裾を揺らして、ヒールコツコツと音立てて、彼女たちが廊下を闊歩するの素敵だった~60年代のお洋服もかわいかった~裾がふわりと広がるスカート、ワンピース、スカーフ。鮮やかな色彩が黒い肌に映える。

    ほんと実利のことしか考えてなさそうなケビン・コスナー(このひとはなんか優秀な部下を獲得する係みたいなイメージがつきつつある)保守的な白人女性キルスティン・ダンストのやなやつ感の塩梅もよかった。キルスティンの役は「白人」だけど「女性」でもあるから、キャサリンたちとは比較にならずとも差別はされてたんじゃないかと思うんだよな~彼女も他者に歪められて、同じことを自分より弱いひとに返した。

    爆発しそうな怒りを、理性的に顔の下に隠して、眼鏡とシャーペンと計算機で宇宙まで行った彼女たちの話。見ると元気になる。きれいに描きすぎてる気もするんだけど、きれいに、まっすぐ、清々しく彼女たちを描くことで「今」にケンカ売ってる気がする。穏やかな義憤の火が宿る。

    監督:セオドア・メルフィ
    脚本:アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィ
    音楽:ハンス・ジマー、ファレル・ウィリアムス、ベンジャミン・ウォルフィッシュ

    原題:Hidden Figures


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