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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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  • パージ:大統領令

    まずこのポスターからして最高じゃない?パージを体験するためにツアー組んで外国からやって来た旅行者の一団がワシントンやリンカーン、自由の女神の仮装をしてアメリカめ!死ね!とかやってるこの悪趣味極まりないセンスよ。今回は全体的にみんなかなり調子に乗って全力でふざけてきてて楽しい、車全体を電飾でデコるとかよく思いついたな?

    チョコバー・ガールズのマザファッカぶり、教会で殺人を聖なる行いのごとく賛美する牧師さんの倫理観逸脱っぷりなど、やべえ顔するひとのやべえ顔の演技がヤバい(語彙とは)カメラにつばが飛ぶほどの熱演に脱帽だぜ、あんたが一等賞だよ。パージを謳歌する者がちゃんと憎たらしいので、容赦なく車で轢かれたり散弾銃ブチこまれたりするとひゅー!てなる。

    うすい唇をぽかんとあけがちなグリロさん演じるレオはわりと序盤で被弾するしスタンされるし護衛対象を奪われるしでけっして無敵のヒーローではないんだけど、敵に背後から忍び寄るとき誰も見てないのにくちに指立ててしー、てしてたのでなんかもうオールオッケーです。前作に引き続きよく生きてたな。

    1がパージの夜を乗り越えるある家族の話、2は様々な思惑と事情を持ってパージの夜を過ごす住人達の話、今回はパージの夜を終わらせたい側と、続けたい側の話だった。いい区切りのつけ方だったんじゃないかな~テレビドラマ化も楽しみ楽しみです。

    監督、脚本:ジェームズ・デモナコ
    音楽:ネイサン・ホワイトヘッド


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  • ゲット・アウト

    黒人の青年が白人の恋人の実家に遊びに行ったらさあ大変!ムービー

    これはいい!

    登場人物がはっきりくっきり「奇妙な」表情をする、そ、それどーゆー感情だよ!っぷりがすごい。特にお手伝いさんジョージナ役のベッティ・ガブリエルさんがピカイチ、彼女がしゃべってるシーンの「なんっとなく今すぐここから逃げてえ…」感といったら!怪演!

    白人男性が黒人の青年に振る話題として、タイガー・ウッズっていいよね、時代はブラックだよ、みたいな事を言っちゃう、ええ~今2017年だぜ~?てなるくらいの人種差別意識の表現に苦笑いしていたらすっかり騙された。少なくともアーミテージの一族にとっては体なんかただの入れ物で、重視するのはその「入れ物」がいかに優秀か、すぐれた遺伝子配列を有しているかどうかで、肌の色がどうのこうのな差別意識とはまた違った次元にいる。白人ばかりの家に黒人の青年がひとりいるから居心地が悪いのかと思いきや、違和感の正体はショーウィンドーのドーナツを吟味するみたいに「見定めている」ひとばかりだから。

    黒人の青年が主人公だから、警察は彼を助けてくれないカモ!ととっさに思ってしまうような、現代社会に生きているとなんとなく刷り込まれていく「先入観」を逆手に取った良作。イイ味出してる主人公の親友くんがジェフリー・ダーマーについて言及するのとか不謹慎ながらにやにやしてしまう。

    ※ところで恋人の弟役でいや~な感じを好演していた青年、どっかで見たことあるどっかで見たことあると思ってたらX-MEN:ファーストジェネレーションのバンシーことケイレブ・ランドリー・ジョーンズくんだった大きくなって!

    監督、脚本:ジョーダン・ピール
    音楽:Michael Abels

    原題:Get Out


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  • 東京国際映画祭 Mr.Longアリーナイベント/舞台挨拶
    ①10/27六本木ヒルズで行われたMr.Long アリーナイベント覚え書きメモ

    ・チャン・チェンさんとSABU監督登壇

    ・ハロータイジャーハオ~てチャン・チェンさんが中国語で挨拶。その後SABU監督が同じようにハロータイジャーハオ~て中国語で挨拶ww

    ・チャン・チェンさん学ランみたいなお召し物に足元白のスニーカーだったんだけど、SABU監督がこんな中二みたいな格好してきて気がふれたのかと思ったみたいなことを言う

    ・チャン・チェンさんとSABU監督の出会いは2005年のモントリオール映画祭で、その時仲良くなった。2015年に映画「天の茶助」の公開キャンペーンで台湾に行った際、打ち上げの席にチャン・チェンさんが来てくれて(配給のひとと友達だったみたい?)、映画に出てよ~て言ってみたらぜひぜひ~てなったので急いで脚本書いた

    ・チャン・チェンさんはSABU監督の作品が好きでほとんど見ている、自分のオールタイムベストに入ってる作品もある

    ・「Mr.Long」ではチャン・チェンさんお料理をするシーンがあるが、プライベートでも料理はするのか?
    チャン・チェンさん→日本語で「たまに」

    ・得意料理は?
    チャン・チェンさん→牛肉麺(映画でチャン・チェンさんが屋台で作る)
    チャン・チェンさんの回答を聞いた監督が「前豚汁って言ってなかった?」とつっこむとチャン・チェンさん指立ててシー!てww

    ・日本でもロケしてるけど日本のスタッフとの仕事はどうだったか
    チャン・チェンさん→映画の仕事はやることが決まっているからどこの国のスタッフと組んでもそんなに変わらない、皆プロフェッショナルで学ぶべきところもあった、日本はプライベートでも来る、はじめて映画祭に出たのが東京国際映画祭で、15歳で初来日したから、日本・東京は思い出深い

    ・台湾のスタッフとの仕事はどうだったか
    SABU監督→昔の日本みたいで路地とかそんなに変わらないし、スタッフも優秀、チャン・チェンはずっと男前なので準備して現場に入るとスタッフもおお~みたいになってた、撮りがいのある役者さん

    ・殺し屋で料理上手というキャラクターはどうやって作ったのか
    SABU監督→チャン・チェンがかっこいいからかっこよくクールに、アジア合作だからナイフ使いに、その悪事に使っていたもの(ナイフ)で善いもの(料理)を作るように変わっていくようキャラクターを作った

    ・チャン・チェンさんからSABU監督へ質問→監督が寡黙だから映画撮り終わっても訊けていないことがある、頭の中のものをどうやって映像化していますか?みたいな内容にいや~私は寡黙だから~とふざけつつ答えていらしたんだけど詳細忘れた…

    ・お話のインスピレーションはどこから沸いてくるか?
    SABU監督→ふってくることもあるし、甲州街道(だったかな?)とどこどこの交差するとこ、あの辺をドライブしているとわりとひらめく、あそこいいポイント(具体的な通りの名前言ってたと思うんだけどど忘れ)

    ・チャン・チェンさんと子役の子との交流はどうだったか
    SABU監督→覚えてないですけど…ww
    チャン・チェンさん→彼の日本語は私より上手、彼もとてもプロフェッショナル、「眠い」と「怒る」以外の時はいい子だったww
    SABU監督→思い出したけどチャン・チェン子役の子突き飛ばして泣かせたりしていた、それくらい役に入り込んでくれる(おおっとぉ~ここは深く触れんでおこうみたいなこと言う司会)
    チャン・チェンさん多分プレッシャー感じてたんでしょうね、て苦笑い


    ===


    ②同日、舞台挨拶

    ・登壇、チャン・チェンさん中国語で挨拶ののち日本語で「以上です」ww アリーナイベントと同様SABU監督も中国語で挨拶ww

    ・モントリオールでチャン・チェンさんと監督が会って、台湾で再開して、そこキッカケで映画が生まれたとアリーナイベントと大体同じ話

    ・日本での撮影の印象を訊かれて
    チャン・チェンさん→とても良かったです、もともとSABU監督のファンで、一緒に仕事することになって興奮した、脚本が出来上がったときとても良い脚本だと思った、特に主人公ミスター・ロンのキャラクターがいいと思った。自分の好きな監督と仕事ができるのはとても幸せなことだ、日本と台湾の高雄で撮影出来て嬉しかった。日本のスタッフも優秀でプロフェッショナルだった、感謝している、今日みんなに映画を見てもらって気に入ってもらえると嬉しい

    ・チャン・チェンさんとの仕事はどうだったか訊かれて
    SABU監督の→すごいプロフェッショナル、普通の俳優さんとは違う、国際的なスターなんでスタッフは圧倒されてた、僕のコメディ的な感じも好きみたいで、こんな高校生のコントでもやってくれそうな服を…www 影響を与えてしまったかな…ww

    ・プロフェッショナル中のプロフェッショナルだと監督に言われたチャン・チェンさん「謝謝」

    ・最後にひとこと
    チャン・チェンさん→映画を見て、この映画を好きになってくれるのを望みます、ミスター・ロンは私自身とても好きなキャラクターです、ここ数年の仕事や人生経験を凝縮したようなキャラクターになっていると思う、そこも含めてみて欲しい
    SABU監督→自分でも自信のある、名作だと思っている、みんなのクチコミが大事、あちこちで面白い面白いって言ってね


    ===


    アリーナイベントはスタンディングだったのでメモが取れず、だいぶうろ覚え。
    チャン・チェンさんも監督も穏やかで、終始にこにこしていらした印象。フォトセッションでもセンターライトレフトそれぞれのカメラにポーズとって差分作ってくれてた。いっぱい手を振ってくれた。とてもきれいでかわいらしかった。






    いいカメラ持っていけばよかったな~

    ===

    11/2 追記

    webマガジン「cinefil」さんにアリーナイベント/舞台挨拶の詳しい内容が載ってた

    ・舞台挨拶の模様がようつべにアップされてた!



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  • Mr.Long ミスター・ロン

    東京国際映画祭にて。とても良かった。

    暗殺者がおせっかいな地域住人や中国語を解する母子と交流するうち次第に変化していく…みたいなよくあるプロットに、びっくりするほど素直な表現と、胸が痛むような残酷でキツい側面が色を添える。穏やかでコミカルな日常から圧倒的な暴力まで勢いよく噴き上げる終盤は圧巻。

    リリーが賢治と恋に落ちる描写が少女漫画もかくやとゆーくらいかわいらしくキラキラいていて監督正気かよと思っていたら、その後物語の暗い面を彼女が一手に担ってしまったくらい酷いことになっていよいよか、監督正気かよ…!てなった。イレブン・ヤオさんのものすごい熱演、笑っているととてもかわいらしいひとなのに、ものすごく壮絶な表情も、見てるこっちが死にたくなるくらい絶望的な表情もする。すごかった。

    チャン・チェンさん演じるロンもとても良かった、チャン・チェンさんありきのキャラクターなのでクールぶってて寡黙で、かっこよくて、でもかわいいところもあるんだ~☆てのが余すところなく描かれていてそれな~~~~~!て膝を打つしかなかったもうほんと監督ありがとうございました。あんなひとが「お前あのとき助けた犬か?」てファンタジーなこと言ったり、お料理上手だったりなんて監督はチャン・チェンさん夢女子なのでは…?少ないセリフで、抑えた表情と動作で、けれどロンの戸惑いや優しさや喜びや怒りがちゃんと伝わる。主演男優と女優で両端な表現だな~どちらも素晴らしかった。

    同日に「牯嶺街少年殺人事件」を見ていたので、牯嶺街~では誰もみずからの望むように生きられなかったのに対して Mr.Long では主人公の「こう生きたい」が最後には叶うのが、何だか救われたような気がした。SABU監督作品はこれが初めてなんだけど、なんて素直な作品を撮るひとなんだろう。おとぎ話みたい。観終わった後まんまと牛肉麺が食べたくなる。

    ※ところでPerfumeのライブに行ったことがある身としてはけっこう他人事でいられないシーンが…ぐるぐるぐるトントン、ぐるぐるぐるトントン、よーこ、よーこ、ぐるぐるぐるトントン♪戸惑うロンに分かるよ…てなる…初ライブの自分を見るよう…

    監督、脚本:SABU
    音楽:松本淳一

    原題:Mr.Long


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  • 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

    電気のスイッチをパチン、とつけるように生活や恋や夢や希望が描かれ、またパチン、と消すように焦燥や不安やままならない現実や不条理な社会が描かれる。
    年相応に屈託なく過ごす中学生なのに、夜間部に通う子どもたちは闇や暴力ととても距離が近い。昼はいつまでも続かず、懐中電灯が秘密に光をあて、ろうそくの火は頼りなく吹き消され、不安定な室内灯は頻繁に停電し、血なまぐさい夜が長く続く。静かなカメラワークで61年夏の台湾の昼と夜を執拗に見つめさせる。4時間近い映画なのに全然気が散らなくって驚いたどーゆー魔法だこれ?

    夢みたいに印象的なカットが多く、一寸先は闇がすぎる夜の描写が恐ろしいんだけど、見終わってから振り返ると菩薩さまみたいに清らかな顔をしたヒロインと、張震少年の幼い笑顔が浮かんでくる。ブラスバンド合奏に負けないくらい声を張り上げて僕は君の味方だ!と叫ぶ張震少年はたしかに頼もしい灯りそのものだったのに、夜から抜け出すことは出来なかった。置き去りにされた懐中電灯が悲しい。誰も彼もみずからが望んだように生きられなかった。

    監督:エドワード・ヤン
    脚本:エドワード・ヤン、ヤン・ホンヤー、ヤン・シュンチン、ライ・ミンタン
    音楽:チャン・ホンダ

    原題:牯嶺街少年殺人事件 A Brighter Summer Day


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  • アトミック・ブロンド

    She's a killer queen~♪
    基本的にどの角度から撮っても最高に美しいシャーリーズ・セロンさまにカメラがずっと向いているので目にご褒美、ノリノリの音楽がガンガンにかかって耳からごちそう。冷戦下の東西ベルリンとゆー時代・ロケーション、衣装、小物の数々も楽しい。ネオンカラーとえげつないカーアクション、ちょっととっつきにくい話運びが終盤一気に収束するあたりなんかはジョン・ウィックのきょうだいって感じ。

    ここのところ打てば響くようなテンポの良いアクションに親しんでいたせいか、ロレーンのおもくそ力こめて渾身の一撃!みたいな重そうな拳にやられた。長い手足が近接戦に映える!生々しい怪我のメイク!弾撃ち尽くした銃身は鈍器と化し、キッチンは戦場になる!人間がなかなか死なない泥臭いアクション!

    セロンさまはもとより役者さんみんな良かった、うさん臭いの代名詞トビー・ジョーンズさん、いいひとの代名詞ジョン・グッドマンさん。不憫で、けれどきちんと自分で止血してロレーン「ひどいドイツ語だ」なんて言っちゃう大胆不遜なエディ・マーサンさん。
    歩き方からしてチンピラなマカヴォイ先生が刺されたり撃たれたり傷口をえぐられたりして思うさま悲鳴をあげるの、需要を分かってらっしゃる~⤴て安心と信頼。善人でも悪人でもイマイチ信頼しきれないこのバランス。
    そして本作のイノセンスを一手に引き受けるソフィア・ブテラちゃん!ロレーンのお姫さまみたいでとっっっっっっっっってもかわいかった!あんな子に好き♥好き♥て顔されたらほだされずにはいられない、ブテラちゃんは不適な悪役も可憐なヒロインも出来ちゃっていいねえいいねえ。

    筋肉のついた木の幹のような腰回り、傷ついて甘さのない体をその場にふさわしい衣服に包んでハイヒールをカツカツ打ち鳴らす女スパイがシブくてかっこよすぎる。スパイものにありがちな筋だけどロレーンがかっこいいから全然画が持つんだからセロンさまスゲー。

    ところでロシアの刺客さんが顔面に鍵ぶっ刺されたの、今のところ「このやられ方がキュート2017」第一位。

    監督:デビッド・リーチ
    脚本:カート・ジョンスタッド
    音楽:タイラー・ベイツ

    原題:Atomic Blonde


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  • ヘリオアス 赤い諜報戦

    韓国から超小型核兵器が謎の怪盗団「ヘリオス」によって奪われた!韓国政府役人と香港警察の合同捜査に中国の公安がくちばし突っ込んできてどうするどうなる!て話なんだけどなんかこう、週刊モーニングの読み切り掲載みたいな終わり方だった…読者の皆さんからの反応が良ければ連載にするかもですよみたいな…彼らの闘いは、はじまったばかり───!!みたいな…(ニュアンス)

    肉弾戦アクションの魅せ場を若くてきゃわわなおにゃのこジャニス・マンさんがわりと一手に担っていた印象があってなんだか面白かった。ショーン・ユーさん出てたのにちょっともったいなくないかな…警察に連行されそうになった身内を口封じの為に撃つ冷静さ。キムが「彼女はボディーガードだ」て評するけどほんとマジ誰よりもお仕事に忠実だった頼もし~い。

    チャン・チェンさんヘリオスの構成員キム役で出演。韓国・香港・中国陣営が翻訳機使ってそれぞれの言語でしゃべるなかひとり韓国語、広東語、日本語、英語を使い分ける。が、がんば…!上記のジャニス・マンさんが頼れる優秀さんなのに対し身内に対して笑顔全開だったり撃つのをためらったりする安定のアレさ(好き)で非情に徹してくれない。対して敵には容赦ないスナイパーぶり。いい感じに格好良いので続編見たいですね。お召し替えたくさんで目にも楽しい。

    監督、脚本:リョン・ロクマン、サニー・ルク
    音楽:ピーター・カム

    原題:赤道 Helios


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  • 2046

    ある男が木の根元に穴を掘り、その中にささやき泥をかぶせて埋めた秘密がだんだん掘り起こされていく。過去は埋めておけばよかった。千年待ったってあなたは私に会いに来ないのだ。

    「ブエノスアイレス」もそうだったけどシャキっとするのにすげー時間かかるのな主人公。ウォン・カーウェイが描く時間は伸びたり縮んだりせずただただ積み重なっていく…みなそれぞれ時が流れるにつれ次の場所へ移動するのに、下手したらこいつ2046で永遠に彼女を待つんじゃねえのかと困ってしまった。ホテルオーナーのお嬢さんがマダオ(まるでダメなおっさん)に引っかからずに済んでよかったよ。彼女が独り言を言うときの足元、アンドロイドの底が光る靴、酔いつぶれた女の寝乱れた裾を直す描写、ぷりぷりのケツの娼婦を下からのアングルで舐めるように撮るなど、いい脚映画でした。

    ウォン・カーウェイ列車好きだな!なんかサイバーパンクみたいなの撮ったらいいんじゃないかな。

    監督、脚本:ウォン・カーウェイ

    原題:2046


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  • 猿の惑星:聖戦記

    ザ・有終の美!続編の構想とかもう練らんでよろしいかと思いますシーザーの長い戦いはやっと終わりを迎えたのだ…創世記で、どこまでもその木を登って行けと見上げたあの子が約束の地にたどり着き、もう誰にも「家」を奪われることがない。人類の滅亡とか知ったことか!

    猿が馬に乗って襲ってきたり、銃火器で武装して襲ってきたり、戦車に乗って襲ってきたりと勝てる気がしねえカットでお馴染みのシリーズだけど今回もキマってる、ウディ・ハレルソン演じる大佐とシーザーが初めて対峙するシーンなんかあんまりかっこいいので固唾をのんだぞ何だあれ。
    少女にゴリラが花を贈り、少女がゴリラにその花を手向けるとゆードラマティック演出の為だけに「白銀の雪山で一本の木だけ花が満開」とかすげーことしやがるその意気やよし。

    登場人物にものすごくカメラが寄ったどアップが多かった気がするんだけど全然画が負けない。目で語る。くちのきける・きけないに関わらず目で語る。あの眼差しから愛情や、信頼を読み取れるのに、それを表現する手段をもたない、それまで定められた「人間」のワクから逸脱したものは滅ぼすとゆー大佐の考えはなるほど狂気じゃねーの…目にいっぱい涙をためて大佐の話を聞くシーザーのイノセンスさ…あれではどちらが人間かわからん…

    エイプも人間もそれぞれの陣営は一枚岩ではなく様々な思惑があり、時に裏切りがある。けれど「エイプ」「団結」「強い」を貫いたシーザーたちと、壁を築き他者を排し二極に分断した人類とでは戦場の女神はエイプに微笑むのだからいっそすがすがしい。アンディ・サーキスお疲れさまでした、素晴らしかった。シリーズ通してシーザーのモラルコンパスだったモーリスも良かった、シーザーの銃口をそっとおろしてくれる。
    ところでコミカル担当がちょいちょいコミカルしてくるの、わたしあんなどシリアスな状況でのエイプのギャグに慣れてないのでここ笑ってもいいとこよね?えここ笑うとこよね?てちょいちょい戸惑ってしまったぞ~

    監督:マット・リーブス
    脚本:マーク・ボンバック、マット・リーブス
    音楽:マイケル・ジアッキーノ

    原題:War for the Planet of the Apes


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  • アウトレイジ 最終章

    ファッキンジャップくらい分かるよバカヤロー!的なシーンめっちゃにやにやした。

    題字が出るカットからしてもう好きだった1と似て非なる。花菱 vs 張の二大勢力争いを軸に悪党バトルロイヤルかと思いきや、真っ昼間に現れる太刀魚大友さんの存在がずっと主になっていて、大友さんが大友さんのまっとうを貫く話だった。欲と野心にまみれたイマドキな花菱のお偉方に対して、暴走族上がりのチンピラにですら迫力が伝わる張の親分や、任侠のひと大友さんの昔気質なやくざの姿がとってもファンタジー。もう物語の世界にしかいない昔気質の本物。
    松重豊さん演じる刑事さんが権力にひよる上司にがんっがんにキレるシーンとか、全体的にファンタジーでまっとうだった。

    西田敏行と塩見三省のプリキュア花菱とってもプリティーでキュアキュアだった。運転手撃たれてびびり散らかすピエール瀧を尻目にハハハああ可笑しい、て笑うとことかうまいなあ~。塩見三省さんは杖をついてよろよろっとしたたたずまいや声の感じがとても良くて、いいなあ、なまめかしいなあ、ビヨンドと全然違うじゃん~て浮かれてたら、ご病気されてたのですね…なんかすいません…お素敵でした…



    ところでおっさんのアップが多いんだけど、おっさんのたるんだ肌の陰影がすごくなまめかしかった何だあれ…

    監督、脚本:北野武
    音楽:鈴木慶一


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  • 狼男アメリカン

    エドガー・ライト監督が好きな映画によくあげてる気がするやーつをやっと観賞。狼男の現代版リメイク。

    狼男に引き裂かれた人間の破れた皮膚や肉、飛び散る血液、ロンドンでひとが獲物として襲われるシーンなんかホラー映画~なんだけど、デビッドが見る悪夢や、死んだはずの親友が訪ねてきて忠告をくれたり、死者とポルノ映画を見ながら自死について話す映画館のシーンなんかはわりとコメディ~で振れ幅がすごい。思わずくすくすしてしまう系ホラー。
    狼男によっての犠牲者ももちろん出るんだけど、体感的には交通事故でめっちゃひとが死んでる気がした…すごい勢いでカークラッシュしてて笑ってしまう。

    特殊メイクもさほど古さを感じず。べろべろになった皮膚や傷口から肉が見えてる姿で出てきてだんだん腐敗していく親友ジャックくんのビジュアルがくそほどかわいい。

    監督、脚本:ジョン・ランディス(「バークアンドヘア」の監督だ!通りで!)

    原題:An American Werewolf in London


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  • インビジブル・ターゲット

    あっちこっちで爆弾が爆発し、ガラスが割れ、テーブルや椅子は壊れ、ひとが高所から落下し、階段から落ち、車にぶつかり、撃たれ、殴りあい蹴りあう。
    なんてゆーか
    景気がいい。
    爆発するたびいやー派手だなあ!景気がいいなあ!て花火見てるひとみたいになってた。

    アクションもぐるんぐるんしていて楽しい、警察官の制服もお似合いなウー・ジンさん飛ぶわ蹴るわでひとりえげつなく強い。もう笑ってしまう。ニコツェーさん+ショーン・ユーさん+ジェイシー・チャンくんの三人がカフェの乱闘シーンで揃って蹴りかますとこなんかち、チャーリーズエンジェル…!て思わず声が出た。いつも言ってるけどニコツェーさん足技たくさんで見てて楽しい。

    特殊身分」のサニーでお馴染みアンディ・オンくんがわりと切ないドラマパート担当ヨンイー役で登場。人質の子どもに手のひらいっぱいのアメちゃんあげるシーンがあるんだけどお前それ自分で食う用に常備しているのか?かわいいかよ…

    映画の警察は悪党をわりと殺しちゃう傾向にあるけど、僕は警官だ、逮捕する!て「正しい」を貫こうとするワイ(ジェイシー・チャンくん)の姿が、復讐者や無謀者、犯罪者の心を変えていくの切なくも頼もしい。子どもに敬礼をしてもらえるようなまっすぐさ。ワイとヨンイーが友情をはぐくむ展開欲しかったな…

    監督:ベニー・チャン
    脚本:ベニー・チャン、リン・チーマン

    原題:男児本色 Invisible Target


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  • 百年恋歌

    1966年の男女を描いた「恋愛の歌」、1911年の「自由の歌」、2005年の「青春の歌」の三篇の恋愛オムニバスムービー。スー・チーさん×チャン・チェンさんとゆーわたし得っぷり。時代ごとの衣装・建物・街並みの違いも目に楽しい。

    開いたドアや窓から光が差し込み、逆光の室内の中に男女の姿が浮かび上がる構図が印象的。「黒衣の刺客」の監督らしく時間がゆっっっくり流れていてとても贅沢に感じる。
    「恋愛の歌」が特にかわいい…なんかもう…スー・チーさんと付き合いたい…(沈痛な面持ち)(かわいそう)

    監督:ホウ・シャオシェン
    脚本:チュー・ティエンウェン

    原題:最好的時光


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  • ブレイド・マスター

    明の時代の公安みたいな組織「錦衣衛」(処刑剣でドニーさんがいたやつ)に所属する男三人が陰謀に巻き込まれる系ムービー
    わりとガラ悪いのに情にあつい沈煉(チャン・チェンさん)・元盗賊でその過去をネタに昔の仲間に恐喝されている弟分斬一川・面倒見がよい兄貴分だが出世に恵まれない盧剣星(誘拐捜査で常に手りゅう弾持ち歩いてるやべー犯人役だったワン・チエンユエンさん)はそれぞれ私的な問題を抱えていて、沈煉が良かれと思っていろいろ手を回すんだけどことごとく裏目に出る安定の残念ぷり。巨悪に利用された錦衣衛が無念をはらす話、なんだけどあまりに愚直で不器用すぎる…

    飛魚服をまとい繍春刀を下げた血濡れのチャン・チェンさんがべらぼうに格好良い。ひらひらの裾をひるがえし相手を卓上に蹴倒したりしちゃう。


    血濡れの美人はいいものだ

    監督:ルー・ヤン

    原題:繡春刀 Brotherhood of Blades


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  • ブエノスアイレス

    カナリアみたいな黄色の光、街頭や室内灯の灯り、日差しが目に眩しい。
    身を寄せ合ってタンゴを踊るウィンとファイの姿は官能的で、両腕を怪我したウィンの看病をかいがいしくするファイの姿は献身的で、相手の寝顔を見つめる眼差しには執着をまざまざと感じるのに、穏やかに慈しみ大切にすることができない。
    「やり直そう」と言われるといつまでもそうしてしまうファイに眉を寄せて見ていたけど、ルームランプを手放して本物のイグアスの滝を見行くことで、最終的には相手に振り回されるだけではなく自分で会いたいときに、会いたいひとに会いに行けるくらいに自分を立て直せたのかな…テープレコーダーにメッセージを吹き込むときの泣きそうなトニー・レオンの顔よ…

    ブエノスアイレスからは真逆に位置する台北、のイメージで高層ビル群をさかさまに撮ったカットが出てきて、天地逆にしただけなのになんかすごい未来都市っぽかった。写真撮るとき真似っこしたい。

    チャン・チェンさん旅行中資金が尽きてトニー・レオンのバイト先に働きに来てる後輩くん役。恋人とうまくいってなくてさみしい先輩に手だされて愁嘆場に巻き込まれたらどうしようとハラハラしたけどそんなことはなかった…どこまでも健全な青年…さすがウォン・カーウェイ誰にも触らせない…

    監督、脚本:ウォン・カーウェイ
    音楽:ダニー・チャン

    原題:春光乍洩/Happy Together


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