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忘れることを前提に

観た映画メモ。ネタバレに配慮しないよ

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  • インターセクション

    突然のフランク・グリロさん週間。

    ハネムーン中のファンドマネージャー、夫を亡き者にしようと企む妻とその愛人、赤ん坊を抱いた女性、手錠をかけられた男、修理工を名乗る謎の青年。それぞれ腹にいちもつある6人が砂漠の真ん中で遭難状態に。はたして彼らは生還できるのか、みたいな話。なんとなく「殺し屋チャーリーと6人の悪党」っていう映画を思い出すのだ…(察し)


    殺し屋チャーリーと6人の悪党予告編

    グリロさんは妻に命を狙われる悪徳ファンドマネージャー役(ハネムーンなのに)支配欲が強くて妻のことも成功の象徴・トロフィー程度に考えているのかと思いきや心からクソ愛しているらしいですよええ~命を狙われていたのに??わりと始終にこにこしていておよそ家庭的とは言えないキャラクターなのに女性から即泣いてる赤ん坊を受け取ってしー、てなだめるとゆーちょっと珍しい男性像だった。終盤眼鏡姿あり。

    「エネミー・オブ・アメリカ」の脚本家さんが監督・脚本だそうで、このひとは最後男二人で〆たいひとなのかな…と思いました。

    監督、脚本:デビッド・マルコーニ
    音楽:リチャード・ホロウィッツ

    原題:Intersections


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  • オーシャンズ8

    シャボン玉!
    もーう女が女にプロポーズしたり女が女を口説き落としたりする映画が最高じゃないわけがない。カチカチパズルがはまってく気持ちよさとプロフェッショナルが存分に腕を振るう様を見る幸福。わたしだってケイトさまに顎に垂れたウォッカ拭って欲しいしリアーナにおばかさんって言われたい。

    「女同士のドロドロ」「女は執念深い」「女は感情的」「女は論理的じゃない」「女には男が必要」みたいな世間のネガティブなイメージを逆手に取ったキャラクター達が気持ちいい。アンハサの役に顕著だけど、若いライバルに嫉妬し、体形を病的に気にし、豪華なジュエリーとイケメンを見せびらかす、ダフネは典型的な「頭からっぽで八方美人な女優」かと思いきや意外と見るところを見ていて油断ならない。「何だかとっても巨体に見える!」のヒステリックな演技が堂に入っていて痛々しい分(女優さんってマジですぐデブとかブスとか言われるもんな…)終盤の彼女の姿は痛快だったな。

    ボルゾイ連れたアーミティッジさんゴージャスだった~「可愛がられそう」な顔って的確な形容。こーゆー顔がいいだけのキャラクター、ひと昔前ならパツキンのチャンネーが演じていたような役が男性にふられる逆転。

    ソダーバーグは執拗だし全部言おうとする、てゆーイメージだけど(好きだよ)ゲイリー・ロス監督の今作は全体的にさらっとしてたなとゆー印象。ラストとかすごいさらっ。「昼食の具がたっぷり入ったサンドイッチをゴミ箱の上で食う犬好きのおっさん」とゆー妙なディティールのキャラクターがいたりする映画なので、このさらっと具合はわざとなのではないかな。デビーのリストの中身も詳細に語られず、タミーの伴侶は姿も声も描写されない。脚本がゆるいというより意図的に描かれていない部分があるのじゃないかな。

    わたしは8歳の夢見る少女なので見終わって帰りの車の中でなんだか泣いてしまったし、これから先ウッ死にたい…てなったときに見るリストにこの映画を入れた。じんわり元気をもらった。何かにあこがれる世界中の女の子に彼女たちが味方してくれていると思えば、45ドルでどこへだって行ける。

    監督、脚本:ゲイリー・ロス
    音楽:ダニエル・ペンバートン

    原題:Ocean's Eight


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  • バーフバリ 王の凱旋 完全版

    「バーフバリ 伝説誕生」で浮かんだか、カッタッパーーー!どうしてだよーーー!という強い疑問に答えてもらってきた。

    前作では滝登りのシーンやシブドゥとアヴァンティカの愛のシーンのあまりのロマンティックな描き方にディスニー映画か少女漫画家と思ったけど、今作はそれに加えて戦闘シーンで瞬間移動したり少年漫画的な描写があってもうそんなことってある?いちいち大仰でドラマティックだった。

    アマレンドラ「切り落とすべきは指ではなく首だ!」
    バラー「!」
    シヴァガミ「!」

    みたいなキャラクターがカッと目をひんむくシーンで都度ヴィブラスラップ鳴らしたい。

    デーヴァセーナさまが小枝に火ぃつけてあいつのこと灰にしてやっかんな!て言ってたのは25年にも及ぶ投獄によって培われた激情なんだと思ってたけど、王の凱旋見たら若いときからめちゃめちゃ血の気の多い姫さまであらせられた…バーフバリの求心力やカリスマ性がバラーラデーヴァとの間に悲哀をもたらしたのだと思っていたけれど、歯車が大きく狂わせたのはデーヴァセーナさまの苛烈さだったのではないかな…運命の女…

    監督、脚本:S・S・ラージャマウリ
    音楽:M・M・キーラバーニ

    原題:Baahubali 2: The Conclusion


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  • インクレディブル・ファミリー

    前作は生きがいとなるお仕事を通してどんどん生気を取り戻していったパパ・Mr.インクレディブルは今回お留守番、ママ・イラスティガールがヒーロー活動。パワーにものを言わせる破壊活動が専売特許のMr.インクレディブルは赤ちゃんのお世話、息子の宿題、思春期の娘の対応それぞれ最初はうまくできないし、反対にイラスティガールがお仕事を成功させているのにヤキモキするんだけど、それでも腐らずに出来るところからひとつひとつ対応していく。家庭とはひとりひとりがその必死に役割を果たしてやっと回るものだからMr.インクレディブルが頑張るのは当然っちゃあ当然なんだけど、おそらく「男は外で稼ぎ女は家にいるもの」みたいな価値観で暮らしてきたひとが妻にあたらず現状に適応しようとする姿を描くのはロールモデルとして良いのではないかな~

    危機をヒーロー任せにし自ら戦おうとはしない、行動せずモニター越しに体験を共有し満足する我々への警鐘。スクリーンスレイヴァーとは皮肉な名前だな。


    ところでわたしもエドナ・モードのブランドでお買い物してあのロゴが入った紙袋を見せびらかしながら帰りたい~

    監督、脚本:ブラッド・バード
    音楽:マイケル・ジアッキーノ

    原題:Incredibles 2


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  • ミッション:インポッシブル フォールアウト

    前作のラスボス、ソロモン・レーン(ショーン・ハリスさん)の素晴らしく耳障りのいい声による結婚の宣誓から始まる。そこでもう元取った気になる~んだけど終わってみると少し期待しすぎたかな…息を飲むようなアクションの連続ですごくてすごくてすごいんだけど、すごすぎてトム・クルーズが心配になってしまう…ご自愛ください…

    特定のシーンもしくはアクションをやりたいが為に登場人物に賢いとは言えない振る舞いをさせる、てのは悪手だと思うので、パラシュートのシーンとかはわーすげーどーやって撮ってるんだろう?が半分あーあー⤵が半分…あそこでオーガストくんのキャラ観が決まってしまって(ミッション続行に向かないような天候なのにもかかわらず強行し失敗しかける)(マジかよお前CIAの秘蔵っ子じゃねーのかよ)その後ずっと侮って見てしまった残念…偽のジョン・ラークのスマートフォンがトイレのシーンではバキバキだったのにスローンに提出するときはきれいになってたのとかちょっとがっかりしてしまった…観客と「真の敵は誰か?」を共有する気はないのだな…カヴィルさんのきれいな顔が焼けただれるのとか一部の特殊なニーズには応えてくれているのに…

    ベンジーがMIRNの時よりもまた一段フィールドエージェントとして成長してるのが見えてじんとした…憧れのイーサン・ハントと対等に会話している。あれもうイーサンも「君を守りきれないから帰れ」なんて言わないやつだ…ルーサーとイーサンとベンジーでチームしてる姿に年月…思えばずいぶん遠くまで来た…て目頭をおさえた。前作で誘拐して爆弾ベストを着せた加害者/被害者の関係にあるレーンと目を合わせて会話するシーンが見られるとは思っていなかったので嬉しかった My funny little friend!

    イルサとベンジーのガールズトークを望む会の者としてはクリストファー・マッカリーーーーー!この野郎どうもありがとうございます!て感じだった。合わせ鏡のように立つイーサンとイルサの対比は美しかったけれど、前作でロマンティックな関係にならないふたりに萌えた身としては今回の結末は少々残念だったな…
    レーンとイルサの関係も不思議だった、全然しゃべんない…全然しゃべんない…からのthat was Ilsa が第一声なのに感嘆した。レーンは誰にも執着しなくて、イルサのことはちょっとお気に入りで利用価値があるMI6くらいに考えてるんだと思ってたけどこちらの想定以上に特別な存在だったのかな。必ず殺してやると言わんばかりの目をしているイルサとの対比。

    ホワイト・ウィドウ役のバネッサ・カービーさんの底知れぬ感とても良かったのに出番ちょろっとキス要員で残念。

    「運命は勇者に囁いた、嵐には勝てないと。勇者は囁き返した、私が嵐だと」て中国のフィギュアスケート解説者さんが言った言葉は何かの引用だったんだっけ…似たようなのが出てきた。


    あのめっちゃ強い偽のジョン・ラークは Liang Yang さんとゆースタントマンさんで、SWでもスタントや武術指導をされいるそう。


    この中のひとや


    この中のひとらしい

    なるほどな…道理で只者ではない…お世話になっております…

    エージェントの悲哀、悪夢で目覚め枕元に銃を手放せない。MIGPでベンジーが不眠症ぎみだ、もうちょっとで核爆弾が爆発していたかもしれないのにみんな何も知らないでいい気なもんだよな、て言ってたけど、そうやって大事なひとの眠りを守っている。あなたがいるから夜安心して眠れると言うジュリアの存在はこれまでのエージェント・ハントを全肯定してくれる。なんかもうここでシリーズが終わっても良いのではないかな…制作側も観客もどんどん過激なアクションを目指し・求めるのは危険なことだと思うし実際今回ちょっと引いてしまったよ…トム・クルーズは自宅や病院のベッドではなく映画制作の現場で死にたいみたいな願望でもあるのだろうか。一回全然アクションしないコメディとかやって欲しい。

    監督、脚本:クリストファー・マッカリー
    音楽:ローン・バルフェテーマ

    原題:Mission: Impossible Fallout


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  • ジュラシック・ワールド 炎の王国

    Queen's english, girl! 今度の子守りは死なない!やったね!メイジーとのやり取りを見てああこのおばさん死んじゃうんだ、きっと恐竜に食べられちゃうんだ、て早々に覚悟を決めていたのだが無駄になって良かった。

    強力な麻酔を食らったはずのオーウェン(クリプラさん)が謎の起き上がりゾンビ技を見せたり、数年野っぱらに放置されていたはずのパークの乗り物で脱出をはかったり(動力どうなってんの?)噴火から逃げそびれた首長竜が悲壮感たっぷりに波止場にたたずんだり(前作からの悪習!)と前半島パートはなんだそれ…の連続。けれど後半で怒濤の巻き返しをはかる変な映画だった。恐竜映画とゆーよりモンスター映画だ。一瞬の光に浮かび上がるシルエットがだんだん近づいてくるホラー演出…多分この監督には「洋館」が必要なんだろうな…ベッドに隠れて怯える少女に忍び寄る爪の長い怪物、がもっともやりたかったシーンではないのか。

    皆さん前半を見て人間に対する怒りが沸き起こっていることかと存じます、ですがご心配には及びません、後半ではその怒りをすっかり晴らしてご覧にいれますよ、さあエレベーターがパーティー会場に到着いたします、どうぞ楽しんで!みたいな悪趣味演出、嫌いじゃないです。悪人は爽快に死ぬ。

    うわーラプトル姉妹の育児記録全部見せてくれー!と思う反面人間に…人間なんかと密に関わったから…だからあの子達はこんな目に…て思うところもあるのでとても情緒不安定になる。「ジュラシック・パーク」は過ぎたテクノロジーは危険が危ないみたいな話だったけど、クローンであるメイジーがボタンを押して似た境遇の恐竜たちを世に放った今作はテクノロジーの結果や副産物を受け入れ共存する道を示す。全然手に負えないと思うんだけどこの後どう続けていくつもりなんだろう…

    監督:J・A・バヨナ
    脚本:デレク・コノリー、コリン・トレボロウ
    音楽:マイケル・ジアッキーノ

    原題:Jurassic World: Fallen Kingdom


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  • 修羅 黒衣の反逆

    猫が死んだからダメだな、と思いきや死んでいなかった…?ラストに出てきたあの猫は銃で撃たれたあの猫と同一存在猫なのか否か誰か明言してほしい。アジア映画らしく(?)馬も大変アクロバティックな目に合うので目を覆いたくなるんだけど、崖から落ちるシーンとかは明らかに人形が使われていたので少し安心しました…

    「ブレイドマスター」
     の続編。あの飛魚服がとびきりお似合いな錦衣衛(明時代の秘密警察)チャン・チェンさん再び!前作よりも泥臭く生々しいアクション。

    ヒロイン北斎が、お前は逃げろ!敵は足止めしておく!な状況でいったん逃げるもやっぱり戻ってくるとゆーなかなか愛しにくい行動をするのだが、主人公沈煉(チャン・チェンさん)がそんな北斎を守る理由として「あいつの描く絵が好きで」をあげてくるのでぐっ…そうか…じゃあしゃあないわな…て納得するに至った。たとえそれが建前の動機だとしても「好きな絵描きさんだから」以上に心を砕く理由が必要だろうか?いやない。


    ところで陸文昭のお召し物がニットカーディガンみたいでなんかかわいかった… 

    監督、脚本:ルー・ヤン 脚本
    音楽:川井憲次

    原題:繍春刀 修羅戦場 Brotherhood of Blades II: The Infernal Battlefield


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  • ドクター・エクソシスト

    他人の意識の中に入り込み、そのひとに憑りついた悪魔を夢の中から祓うとゆーちょっと毛色の変わったエクソシストもの。ゾンビものしかり、ホラー映画はどんどん新しい挑戦をしていくな~

    聖水もストラも十字架を押し付けて汝の名をあらわせー!と叫ぶ神父でもなく、髪ぼさぼさ無精ひげくたくたシャツで車イスにのったくたびれたおっさん風アーロン・エッカートが電子機器と薬品で悪魔と対峙する。新しいしなんぼでも面白くなりそうな設定なんだけどちっとも怖くしてくれない…び、びっくりするほど怖くしてくれない(2回言った)でも多分この、「現実ではよれよれなエッカートさんが他人の意識の中では二本足で立ちシャキッとしたビジュアルになる」一粒で二度美味しい感を楽しむ映画なのではないかな…個人的には車イスッカートさんのボブスタイルが良すぎてずっと現実パートがいいな、と思いました。
    悪魔に憑りつかれた少年(特に拘束もされていない)がいる部屋にエクソシズムの準備のため助手とかがふつーに入って背中向けたりしていたのを見て安全対策とは…?てなった。

    暗闇の中にぽつんと青いドアがあらわれるシーンとかに感じるブラムハウスみ…

    監督:ブラッド・ペイトン
    脚本:ロニー・クリステンセン

    原題:Incarnate


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  • ワンダー 君は太陽

    Choose kind…!
    5年生の子どもに混ざってまばたきもせずにゲームに興じるオーウェン・ウィルソンがまさに適役。

    ヴィアとミランダのパートの方がなんだかグッと来てしまった、両親が弟にかかりきりだからどんなに内心複雑で孤独を感じてても「しっかりものの姉」「弟の親友」の仮面を咄嗟に被っちゃう長女。パパもママもフォローはしようとはするんだけどカバーしきれない。ヴィアが演劇で熱演出来ちゃうのは普段から「演じて」いるからじゃないのか…ミランダが演劇やってみようって思ったのもサマーキャンプで「演じた」からじゃないの…何でも忌憚なく話せるのはお互いしかいなかったのにすれ違って距離を置いてしまうガールズ…

    僕だって学校にチューバッカが来たらじろじろ見ちゃう、てオギーが言う通り、我々は自分たちと極端に違う存在に戸惑う。その時に「親切」を選べるかどうか。 ”ordinary” の星に降り立った宇宙飛行士オギーは奇異の目で見られるけれど、最初のひとりが親切にするとそれが徐々に広がっていく。オギー自身の変化は始まりと終わりでそこまで大きくないと思うし、周囲の子もべらぼうに大きく成長したわけでもないと思う。ひとりで困っている子に声をかけることが出来るかどうか(カンニングのお手伝いも含む)単純だけど勇気がいる一歩を子どもたちが踏み出す姿が頼もしかった。「自分の意見をはっきり言う」教育がされてるんだな…て洋画を見ると思う…

    監督:スティーブン・チョボウスキー
    脚本:スティーブン・チョボウスキー、スティーブ・コンラッド、ジャック・ソーン

    原題:Wonder


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  • ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー

    あの新兵受付のおっさんは全然まったくこれっぽっちも他意はないし、何なら他の似たような子にも同じことをしてるのかもしれないけど、多分あの瞬間がおっさんの人生のなかでした一番いい仕事だったと思う。

    フィル・ロード、クリス・ミラーのコンビが監督を降板!急きょロン・ハワードが監督に!映画はほぼほぼ撮りなおし!ようやく形になってきたと思ったらポスター盗作疑惑!やっとこ公開したら興行収入はあんまり奮わず!

    と定期的に不安をあおり期待を削ぐニュースばかり流れてきて見る前からだいぶげんなりさせてくれたハン・ソロ(ポスターの件は問題になったものがかっこよかっただけに余計がっかりした)ですが、何だよ~ちゃんと面白いじゃんか~~~SW7・8がどん暗い戦争の道を進んでいるのに対しそこもで重くなく、爽快で、アツいエンタメを貫いている。

    監督がロン・ハワードだから男が男に惚れる話なんだろうな、そしてエミリア・クラークを起用しておいて「女は男が帰るための港」みたいな使い方しかしねえんだろどーせ!ペッ みたいな予想をしていたのですが、キーラをはじめガールズの描き方は全然そんなことなかったですねごめんなさい監督。目的を果たすために火力増しましで戦う強くてかっこいいキーラ、ヴァル、L3-37 ヒーローに守ってもらう昔ながらのヒロインがひとりもおらず、逆にヒーローがヒロインに助けられていた。価値観の急激なアップデートに驚いた(ドロイドの権利を叫ぶL3の描写とかは、その後のトリロジーにひとつも反映出来ない分ちゃんちゃら可笑しかったけど)

    やるかやられるかの損得の世界で義憤を選ぶ男。EP4で一度は降りたのにやっぱりルークを助けに戻ってきてくれちゃうハン・ソロという男の、アウトローらしからぬ善とそれを作ったものたちの話。ウディ・ハレルソンさんのベケットはソロが選ばないであろう道を選ぶキャラクターという位置づけだったのかな。船を降りて、戻ってこなかった。

    SWでひとの声が入った曲が使われるのははじめてじゃないかな~民謡みたいだった。声を奪われたものたちが叫ぶ No more

    監督:ロン・ハワード
    脚本:ジョナサン・カスダン、ローレンス・カスダン
    音楽:ジョン・パウエル

    原題:Solo: A Star Wars Story


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  • デッドプール2

    すごいな~何がすごいって全編通してめちゃめちゃふざけてるのに、今回デップーは最初から最後まで「死にたい」の。正確にはヴァネッサが死んじゃったから、彼女がいる「壁の向こう側」に行きたい。X-men見習いになるのも、ラッセルを救おうとするのも、根っこには「そうすればヴァネッサの所に行ける=死」がある。めっちゃくちゃに暗い。めっちゃくちゃに暗いのにあんまりそう感じないくらいふざけていて不謹慎ですごーく散らかっている。楽しーい⤴題字が出てからのラスト10分くらいは声あげて笑ってしまった、「グリーンランタン」見なきゃな~

    景気よく腕だの頭だのが吹っ飛び、人体が上下で真っ二つになるような破壊描写が爽快。上記の通り暗いのでデップーは自暴自棄が炸裂しているし(それでもラッセルを危険に巻き込むまいと突き放そうとはしている)ミュータントの子どもを収容する施設の存在とか、そこで行われている虐待とか、大人になったラッセルが自分を虐待していた理事長の「悪しきものは私の手で癒す」て台詞を言いながらケーブルの家族を殺す描写とか色々しんどかった…ピタゴラスイッチドミノ姐さんが復讐を果たしてくれるのがわずかながら慰め…姐さんの動き全部面白かったね…「幸運」が能力のミュータントの名前が「ドミノ」ってなんかすげーな…彼女自身も何故自分がその場にいるのか分からない、牌が全部倒れてはじめて結果が分かる…

    ヴァネッサと家族を作ろうとして失ったデップーが、ヴァネッサの所に行こうとしてあがいているうちに別の「家族」を持つ話。ファミリームービーは得意じゃないんだけど、嫌悪感を抱かせないぎりぎりの塩梅だった。


    ラッセル役のジュリアン・デニソンくんすげーよかったな~あの子にはイケてる主人公のサポート役とか椅子のひととかナードなガジェ担とかじゃなくてぜひヒーローを」やって欲しいね。「Godzilla vs Kong」に出演が決まったそうなので楽しみにしている。

    監督:デビッド・リーチ
    脚本:レット・リース、ポール・ワーニック、ライアン・レイノルズ
    音楽:タイラー・ベイツ

    原題:Deadpool 2


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  • ゲティ家の身代金

    「エイリアン:コヴェナント」で、床に出来た血だまりに足を滑らせて転んだ拍子に銃を撃ってしまうとか、人間が火だるまになるとか、水に浮いた生首とか、同じギャグを2シーン流すってのがあったんだけどこれリドスコの中で流行ってるのかな?今作でも「人質に顔を見られまいとして覆面をかぶっていた誘拐犯が気のゆるみからうっかり素顔をさらしてしまう」ギャグが2回あって笑ってしまった。緊張感を煽る虫の声の演出もあいまってうっとりした。

    ケヴィン・スペイシーの降板からさっさと撮りなおすフットワークの軽さとクソ意地を感じるし、実際物質主義の怪物みたいなクリストファー・プラマーはとても良かった穏やかな笑顔なのに目が全然笑ってない感じ、孫を確かに愛しているけどその愛は常人には理解しずらいし彼も常人と相いれない感じ。彼がゲイルに「何を企んでいる?」「よく分からないが騙されている気がする」って言うシーンは可笑しくて痛快なんだけどちょっとぞっとするものがあったな…このひと子を思う親の気持ちがイマイチ想像つかないんだ…

    孤独に戦う苛烈なミシェル・ウィリアムズ(美術館のシーンの残酷なこと!美しいでしょうたった15ドルですよ)の熱演、美しい青年チャーリー・プラマーもとても良かったけど見終わった後チンクアンタ…てつぶやいてしまうこと請け合いロマン・デュリスさん!「最初と最後で構図は同じだけどキャラクターの心情は全く変化している」みたいなのだいすきなんだけど、最初の握手と最後の握手で描かれるチンクアンタとポールの間にあった「何か」の描写良かった…誘拐犯と被害者の間にあったものを美化して語ってはいけないんだけどいけないんだけど、こいつ死なないで欲しいな、と思ってしまう悪役(?)が人生には必要じゃん…ポールの背を見送った時チンクアンタは何を思い、連れ戻されてきた姿を見てどう思っただろう…全力で行間を読もうとしてしまう…

    誰でも金を欲しがり、なんにでも、それがたとえ愛する者の命であっても値段がつく世界のありようの恐ろしさ、そこに君臨する皇帝と戦った母親(と誘拐犯)の物語。滅び去った帝国ローマが舞台なのは事実とは言え出来すぎている。関係各位にはお蔵入りにしないでくれてありがとうの気持ち。

    監督:リドリー・スコット
    脚本:デビッド・スカルパ
    音楽:ダニエル・ペンバートン

    原題:All the Money in the World


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  • ピーターラビット

    でもこれはそーゆー映画じゃねえから!て冒頭で自ら言い切る親切。

    今度は戦争だ!

    ピーターのお父さんがパイにされるシーンや、人間vs動物のガチンコ殺し合い描写(アレルギー物質の投与とかあいつらマジで殺しにかかってきてる)の徹底ぶりが大変よろしい。
    惜しむらくはピーターとトーマスが争いを過熱させた動機であるお隣さんビアがまったく魅力的に感じなかったこと。隣人の畑への食害被害を知っていながら「ここはもともと彼らの土地、ウサギはかわいくて無垢」と見てみぬ振り、恋に夢中になって雨宿りしようとするピーター達に気づかず、自分の絵にいたずらされたと思えばなんてひどい子なの!と締め出す。こ、こいつ…マクレガーさんの畑はウサギに荒らされてもいいけど自分の描いた絵ダメにされたら怒るのかよ…お前をミートパイにしてやろうか…
    田舎に住むものとしては害獣による食害被害に胸を痛める一方でなんでこの女にピーターもトーマスも一生懸命になっているのかよく分からなかったよ…いつもこ、このクソアマ…みたいな役を全力投球してくれるローズ・バーン…

    ドーナル・グリーソンさんすごく頑張った…神経質で嫌な奴かと思いきや実はけっしてそうではないいや確かにめっちゃ変わってるけど…!て微妙なラインを好演。橋の上でベンジャミンの入った袋を見るあのためらいや、子どもや彼にはピーターの声が聞こえるあたりお里が知れる。「宇宙飛行士を目指す少女はこの角度に気づくぞ」って台詞の「今」っぽさよ。

    監督:ウィル・グラック
    脚本:ロブ・ライバー、ウィル・グラック
    音楽:ドミニク・ルイス

    原題:Peter Rabbit


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  • ランペイジ 巨獣大乱闘

    ロックさまは「ロックさま」とゆージャンルになりつつあるのか…結束バンドを引きちぎり、施錠されたドアを蹴り破る、あまつさえ銃で撃たれてどてっ腹に穴開いてんのにぴんぴんしてて「死んだんじゃなかったの?」て思わず訊いたヒロインに「致命傷じゃなかった」って答える。

    はい皆さんご一緒に、「致命傷じゃなかった」

    すげーなそんなことってあるかよ!でもロックさまだからな!とゆー説得力(?)すげーなー。トム・クルーズとかだと銃撃戦になっても弾の方が避けていくけど(個人の感想です)ロックさまは弾が当たっても致命傷じゃないから大丈夫なのだ。ゴイスー。

    動物が巨大化して街を人を襲いまくる映画をわたしが嫌いになれるわけないなってなもんで大変楽しかった。予告の段階ではキバ増しましワニさんが気になってたんだけど、本編を見たら巨大狼ちゃんが予想をはるかに超えて良かった。体長9mの巨躯がジャーンプ!かーらーの飛膜で滑空!は思わず歓声を上げたくなるほどのかっこよさ。尻尾を振って針を飛ばす遠距離攻撃もできる間合いの自在っぷり。あの子vsジョー・マンガニエロさんのシーンもっと見たかったな~とてもよかった。大きくかっぴらいた猛獣の口の中をカメラで正面からとらえる映像の尊いことよ。

    けれどこの巨大動物たちの画がかっこよくキマればキマるほど死んでしまった時の悲しみもひとしおだった…今作は人間がそれぞれひどい死に方をするのでヤバイwwヤバイwwてキャッキャしながら見ていたんだけど動物も同じくらいひどい死に方するので監督あなたはわたしの敵か味方か…!て釈然としない思いが残った。「カリフォルニア・ダウン」の冒頭で切り立った山道を運転中にもかかわらずバッグからペットボトルを取り出して飲んだりスマホをいじったりする女子で見ているこっちをハラハラさせた監督なのでたぶんこの悪趣味さはわざとではないのかな…いい趣味していやがるぜ…ワイデン弟を逃がしてやる時のラッセル(ジェフリー・ディーン・モーガン/エロいおっさん)とかめちゃめちゃいい笑顔だったじゃねえか…悪役の死をエンタメとして描くの最近見なかった気がしてちょっとびっくりしたぜ…


    イケメソアルビノゴリラジョージ役のジェイソン・ライルズさんは「Godzilla: King of the Monsters」でキングギドラの声役が決まっているそうで、アンディ・サーキスみたいにその道のひと!になっていくのかな~と楽しみ。ゴリラ二人のブロマンスもよいものでした。

    監督:ブラッド・ペイトン
    脚本:ライアン・イングル、カールトン・キューズ、ライアン・J・コンダル、アダム・スティキエル
    音楽:アンドリュー・ロッキングトン

    原題:Rampage


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  • しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

    カッとなって女に手をあげるが後で自己嫌悪に陥る男と、そんな男を「私が決めることじゃないわ彼がボスだから」とか言いながら全部自分の思う通りになるよう誘導する女、てゆーき、旧時代の男女~!孤児院で育った学のない武骨で不器用な男エヴェレット(イーサン・ホーク)、そんな男に虐げられているかと思いきや最後には我を通しているモード(サリー・ホーキンスさん)二人ともとても良かった。サリー・ホーキンスさん優しくて穏やかだけど搾取されてばかりじゃない、地に足ついてしたたかな一面もある役似合うな~

    モードが最初に壁に描いた鳥をエヴェレットが咎めなかったところから二人の愛がゆっくりはじまって、一緒に過ごした年月のだけ家中に、カードに、板に増えていく。あの家であのあとひとりで暮らすの耐えられないんじゃないだろうか…どこもかしこもモードの面影がある(扉を閉じたら真っ暗になったのすごく印象的だった)
    自分が死んだらこのひとひとりぼっちになっちゃうなと思って「また犬を飼ったら?」ってまだ生きてるのにわりと遺言調でささやく伴侶の姿とか、具合の悪いいきものが家のなかにいるあの不安な感じとか、愛の良いところと厄介なところをいっぺんに見てしまう映画だった。

    エヴェレットがリウマチのモードを足の上に乗せてぴったり抱き合ってくるくる回るダンスシーンがとても良かった…好き…



    監督:アシュリング・ウォルシュ
    脚本:シェリー・ホワイト
    音楽:マイケル・ティミンズ

    原題:Maudie


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