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こーれーはー邦題詐欺って言われても仕方ないんじゃないかな~
原題が「妖猫伝」、英題が「 Legend of the Demon Cat 」
そう、主役は猫です。
猫の一代記なのです。
ナビゲーターに空海と相棒で詩人の白楽天をお迎えして長安からお送りしております!
基本ナビのふたりのしゃべりで話が進行するんだけど前半ずーっとウロウロしてるずーっとウロウロしてる、お前ら口と足連動してるのかってくらいずーっと長安の街と建物内を行ったり来たりしてるんだけど、まあこのセットは存分に見せたいよな~と納得の街並み。素晴らしい。美術さんのすごくいい仕事。ずっと目に楽しい。広大で華やかで活気ある長安の都を堪能出来る。それから絢爛豪華な極楽の宴。花や羽をひらひらキラキラさせてくれるからチェン・カイコーを嫌いになれない…
そして猫…言ってみれば猫の恩返しの物語。たった一度でも優しくしてくれた哀れなひとをお助けしたい一心での復讐…黒猫の姿でわりとずっとぐ~ぐ~ぐ~ぐ~息をしてたりつらそうな声で鳴いたりと猫飼いの心をこれでもかと揺さぶる猫描写にすっかりやられた…こんなトンチキな映画で泣くと思わなかった…
やってくれるか、と問われた楊貴妃が子どもみたいにうん、てもう返事とも呼べない頷きを返すところとても印象的。彼女は分っていたんだな。
単純に日本語が聞き取れなくて人名や名称が覚えられないので字幕欲しいんだけど吹き替えだけなのは残念。染谷くんの中国語も聞いてみたかったけどな。
監督:チェン・カイコー
脚本:チェン・カイコー、ワン・フイリン
原題:妖猫伝 Legend of the Demon Cat
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ハッとするほど鮮やかな赤色と、穏やかなオレンジ色が心に残る。看板の赤、血、炎、電話、夜の部屋にうつる光。天使みたいに突然現れた野生の鹿の毛の色、ディクソンがレッドの事務所にかちこみかける時の光、ストロー付きのオレンジジュース、アイダホ行きの準備をする二人を照らす早朝の光。愛と怒りが濃淡を変えて画面にうつっているのかな、と感じた。怒りによく似た焦燥の赤と、やわらかいオレンジ色のジュース。ストローもある。「レッド」て名前はまるで共産主義のアカみたいだ、てディクソンが絡むのに赤毛だからだってレッドは返したけど、赤の名を持つ彼がディクソンにしてくれたことはとても象徴的な気がする。怒りと愛。
登場人物の誰ひとりとして善良ではなく、けれど誰も邪悪ではない。ミルドレッドは何度か行動しようと決意する、広告を出そう、クズどもに復讐してやる、アイダホに出かけよう。けれどその決意もたやすく揺らいでしまう、名指しで非難した警察署長の病の深刻さを目の当たりにして、クズだと思った男が捜査資料をかばって大やけどを負って、本当にいいのかまだ分からなくて。不当な暴力が突然ふりかかり、かと思えば意外なひとが助けてくれる、静かだけれど劇的な変化。たった三枚の看板によって街が一変したように、登場人物のあり様が変化するのが面白い。普段隠れていた一面が突然顔をのぞかせる。悪い言葉をたしなめるみたいに咄嗟に。
ディクソン役のサム・ロックウェルさん絶品だったな~椅子にハマるほどでかいケツとあの歩き方。全然ビシッと決められないのにキレた時の警棒の扱いが鮮やかで笑った。差別的なクズ警官なのに、ビリヤード上手い小男に「すげえな」ってふつうに感心しちゃってるあたりがな~環境や育ちが違えばこのひともしかしたら、な絶妙なバランス。
そしてピーター・ディンクレイジのピーター・ディンクレイジ力(ぢから)なんかもう…あんなのずるいと思う…
青空と夜の画はあっても夕方の画は無かったと思ったので(たしか)夕日が見たいなと思う話だった。オレンジ色の夕日。あのふたりがどっかで夕日を見て、そのまま帰ってきたらいいな、と個人的には思う。これはどっちかっつったら愛の話だと思ったので。
監督、脚本:マーティン・マクドナー
音楽:カーター・バーウェル
撮影:ベン・デイビス
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
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This is the moment you've waited for!
歌と、ダンス。それに尽きる。ドレスの裾からげてがなり歌う女が出てくる映画なんか嫌いになれねえよな~観客の足踏みからはじまったショウは小物の使い方も楽しくて目が離せないそのグラスどこ行く、その縄どこ行く、そういってそうなる!ほほほう!
筋としては、成り上がりものがフリークスショウで成功してチョーシのって没落して再起、てゆーそれ何回目?な話だしぺらっぺらなんだけど、パフォーマンスで魅せてくれるので楽しい。
ただおれたちのレベッカ・ファーガソンさんにあんなつまんない役振りやがって~みたいなぺらぺらの弊害も感じる(なにさま)オペラ歌手リンド役のレベッカさん白ばらのようにおきれいだったけどあんなにお肌に色をのせていないときの方がもっとずっときれいなんだよな~プロのかっこいい役で見たかった。Never enough は吹き替えで実際に歌っているのは Loren Allred て女優さんだそうで、レベッカさんの歌声も聴いてみたかったな~
オペラじゃねーじゃねえか、な Never enough
暗闇にろうそくの明かりをともし、壁にうつる影に夢を見た少年が、スポットライトの下に立つうちにそのまばゆさに目がくらみ自分を見失う。暗闇に隠れていたフリークスたちは明かりのもとに立つ。ひとはひとの視線が気になる、痛いほど、て描写とバーナムがチャリティに、アンがフィリップに、愛してるひとに対して「あなたには分からない」て言うのがほんとのことすぎて悲しいんだけど、これが私だと歌い上げる姿はやっぱり胸を打つ。だしものに騙されてしまう話だった。
ところでまるで駆け落ちなバーのシーンで地味にめっちゃいい仕事してたひげのバーテンさんあれ誰?
監督:マイケル・グレイシー
脚本:ジェニー・ビックス、ビル・コンドン
音楽:ジョン・デブニー、ジョセフ・トラパニーズ
原題:The Greatest Showman
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まばたきすらしてはならぬ!
わーすごーいこれ全部ストップモーションなの~?みたいな感動はもはやわき起こらない、フツーにCGアニメーション映画を見た気分で本編後メイキングを見て
はー!?バッカじゃねーの!?(褒めてる)
バッカじゃねーの!?(ちょう褒めてる)
気が遠くなるメイキング
てなるとこが本題なんじゃねえのか。人形に命を吹き込む「月からきた魔法使い」たち。
画面構成や色彩がいちいちアクションRPGみたいで、このゲームやりたいな~てわくわくした。折れずの刀奪取戦なんかプレステのコントローラー欲しかった〇ボタン連打!
お話の構成に関しては、前半クボと母上の不思議な力の夢いっぱいな表現に時間割き過ぎて後半すごい慌ただしく伏線回収した気がして配分…てちょっと思った。母子の絆に対して「お父さん」はみそっかすにされがち。
ところで最終バトル後の月の帝の処遇が、あんなの殺されるより残酷だよなと思ってうひゃあってなった。「思い出」を失ったからの器に偽の記憶を刷り込む善なる者たち。優しいひとになることがそのひとの為になると思ってやってる。クワガタの記憶を奪った月の帝も確かに残酷だが、インセプションまではしなかったじゃん…こわい…ライカそーゆーとこある…
顔に傷のある「何かが欠けた」登場人物たち、忘れてしまったほんとうのこと、ほんとうの物語が語られ、語り継がれた英雄はひとびとの記憶に生き続ける。長い長い時間をかけて、やっと結末まで語られた話だった。
監督:トラビス・ナイト
脚本:マーク・ハイムズ、クリス・バトラー
音楽:ダリオ・マリアネッリ
原題:Kubo and the Two Strings
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圧倒的にやさしい…
だって冤罪で刑務所にブチこまれて、住所変わったからって身内に手紙書くとき「ムショにぶち込まれた」って書くと心配かけるだろうからって「ブラウンさんの所ほどじゃないけどここも悪くないです、由緒あるヴィクトリア時代からの建物で、なんといってもセキュリティが抜群」なんて素晴らしく婉曲な表現するのすごくない?パディントンめっちゃいいやつじゃん…
礼儀正しく惜しみなく親切なパディントンと、底抜けにいいひとなブラウンさん一家、善良なサブキャラクターたち、そして何より、このひと(熊)が育てたから今日のパディントンがあるのだなと間接的な表現でびしびし伝わってくるルーシーおばさん。みんな奇跡のようにやさしいので泣いてしまった…もう飛び出す絵本の船におばさんが乗ってるところからダメだったし、ブラウンさんがカリーさんにあんたは!て怒るところなんかおいおい声上げて泣いた(比喩)
前作に続き美術さんのすごくいい仕事。今回ブラウン家の内装はあまり出なかったけど、刑務所の中がしゃれおつカフェみたいにパステルピンクきゃわわ☆になっていくのとか目に楽しかった。
そしてヒュー・グラント!ヒュー・グラント of ヒュー・グラント!圧倒的ヒュー・グラント!ほぼあてがきみたいな話聞いたけどとてもいい仕事だった悪役だけど邪悪ではなく、小物でも大物でもなく、かっこいいけど全然キマらない、浮浪者から尼僧までどんと来いぶり。すごい説得力。
自分と周囲を思いやること、感謝の念、親切心、自尊心、友情、異分子を偏見でもって排除しようとする声に怒ること。ああいいもん見たな~~~て安心して椅子から立ち上がれる。とても良かった。
監督:ポール・キング
脚本:ポール・キング、サイモン・ファーナビー
音楽:ダリオ・マリアネッリ
美術:ゲイリー・ウィリアムソン
原題:Paddington 2
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そこで、イエスは言われた。
何故うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。私の手や足を見なさい。まさしく私だ。触ってよく見なさい。
亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、私にはそれがある
(ルカの福音書)
犬が死んだからダメです(定例報告)あと鶏もめっちゃ死ぬからダメです。
2017年、SNS上でコクソンを見たひとが「祈祷フェスすごかったwww」みたいな感想を上げているのを見て祈祷フェスってなんだよ!ていたいけなライトユーザーは戸惑いを覚えたものです…
実際見てみたら意味分かったよねなるほどすげえや祈祷フェス…!(噛みしめ)
村で起こっているいたましい殺人事件の数々は謎の日本人、國村隼による呪いの仕業なのか、それとも幻覚キノコによる精神錯乱が原因なのか、警察官だけどビビりめな父親は様子のおかしくなった娘を救うことができるのか…みたいなサスペンスムービー。
冒頭ルカの福音書の引用が出るので、キリスト教を元にしているのかなとまず思った。謎の女が「鶏が3回鳴くまで待て」とか言うから、こいつがキリストかな、まーたこいつらは弱い人間の信仰心を試してんだな腹悪ぃぜ、と次に思った。最後を見て、國村隼は反キリスト的な何かだったのかな、キリストの真似事をして、最後に正体をあらわにした、と思った。
んだけど監督のインタビューを読んだら「エルサレムに住むユダヤ教徒から見たキリスト」がモチーフになってるそうでした~手に聖痕がある~そうか~てへぺろ~
老若男女問わず泣く、叫ぶ、感情をこれでもかとあらわにする躁的な感じがアジア…!てなる。家にテレビやスマホやピアノがあるのに洗濯機はない、家族の様子がおかしいから祈祷師を呼ぶ&そんなばかばかしいって止めるひともいない、韓国のたぶん田舎の村で、不安や疑念をどんどん育ててヒステリーみたいになっていく主人公…令状なしの家宅捜索とかまず任意で署までご同行願うわけでもなくまんまと証拠隠滅されちゃうとかどうなってんだよ。子役の子は「エクソシスト」のリーガン以上の熱演を見せ、血まみれのよそ者國村隼が全然信用できない異質さを見せる。祈祷師は祈祷フェスを開く。
正体が分からない相手、原因が判然としない事象を前に男達が奔走するが、事態が改善するか誰にも分からないし手ごたえもないからただ息苦しく焦燥感が募る。ちょっと長いと感じたけど、とてもよかった。色んなところが似ているかなとちょっと思うのに全く違う隣の国がキリストを描くとこうなるなんて面白い。
監督、脚本:ナ・ホンジン
音楽:チャン・ヨンギュ、タル・パラン
原題:The Wailing
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見終わった後ふ、復讐~~~⤴⤴⤴てなって真っ赤な口紅を新調した。
20年も前に離婚した夫から自分へと献辞のついた本が届いて、途中まで読んで、「読んでる最中だけどとても素晴らしいわ、今度食事でも?」てメールするスーザンにまずとてもびっくりした。感想を伝えるにしても食事に誘うににしても、まず全部読んでからにすべきではない?そのひとが自分宛に作った作品を受け取って、じっくり全部目を通す前に、「まだ途中だけど」なんて連絡できる?何日かかったって読み終わってから連絡すべきじゃない?「耳をすませば」で雫がおじいさんに読み終わるまで何時間でも待ってますから!て不安そうに言ってたシーン忘れたの???
再会から結婚、結婚生活、離婚そして「裏切り」まで、スーザンはわりとずっとそんな感じ、考えが浅くて、簡単な選択に飛びついて、泥臭く努力することはない、そして「何でも持っているけれど、私ちっとも幸せじゃないの」なんて言ってるブルジョワのお嬢さんの姿で描かれる。そんなかつて愛したひとに自分の「妻」と「子ども」を殺した残酷な男たちの姿を与えるエドワード…
画面がずっときれいで、そのままポストカードにできそうなくらいだった。役者さんも良かったふっと空虚な顔をするのとは打って変わって感情が爆発するジェイク・ギレンホール、全っ然まばたきしない、失うものはなにもないっぷりが恐ろしくも頼もしいマイケル・シャノン、メイクと表情で若い頃と現在を演じ分けるエイミー・アダムス。最後デートの身支度→待ち合わせ中はわくわくそわそわしててほっぺつやつやなのに、ああ彼は来ないんだ、て気づいてどっと疲れて呆然としているスーザンの表情よ…今でない時、ここでない場所、目の前にいない相手に常に期待している空虚なお嬢さん…
「誰かを愛したなら努力しろ、簡単に投げ出すんじゃない、失えば二度と戻っては来ないのだ」とゆーエドワードの言葉がすべてだよな~なぜ自分は「不幸せ」なのか、なぜ空虚なのか、それは努力をしてこなかったからだと、スーザンはちゃんと気づくことができただろうか…
ところでケータイの電波なくても緊急通報用の番号は通じるはずだから、911に連絡して車と窓のカギ閉めてサツが来るまでけっして相手にするなガール!あきらめるな!てこぶし握りしめてたんだけどケータイからかける場合は112らしい…知らんかった…
監督、脚本:トム・フォード
音楽:アベル・コジェニオウスキ
衣装:アリアンヌ・フィリップス
原題:Nocturnal Animals
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犬が死んだからダメです(定例報告)
JBが死んだってだけでダメなのに、王女さまが即同じパグ犬用意してたのが更にダメだし、後半一切出てこなくて結婚式のシーンにちらっとも映ってなかった(と思う)からほんとダメです。分かるよ、あの犬はハリーとミスター・ピックルのシーンのための布石だったんでしょ…でもあの扱いはわたしの倫理コードに大変抵触したぜ…
マシュー・ヴォーンのひとでなしめ!(ここへきて)
前作のクソさとか不謹慎さとかはわたしは全然ピンと来なくってただ楽しかったんだけど、今作は全体的にああ~ましゅぼん監督これは怒られるわ~お前そーゆーとこだぞ!て言われるわ~て思った。
秒でアガるけど秒でサガるし、体感的にサガってる時間が長く感じた。キレッキレアクションシーンはちょう楽しいんだけど、カメラぎゅわぎゅわしてるシーンの役者さんの動きは迫力が感じられなくてどんくさー?て感じてしまったどうしちゃったんだ?予想よりペデロ・パスカルさんの出番が多くてそこは嬉しかった投げ縄!チョーシこいたガンスピン!どや顔!
物語の良心、盛り上がりのピークとともに退場したマーク・ストロングさんのマーリン先生はもう最&高でしたなにあれちょーーーかわいい。すらっとしたスーツ姿で出てきたとき冗談じゃなく口笛吹くところだった脚なっげえなあ!エイリアン:コヴェナントといいローガン・ラッキーといい「カントリー・ロード」流行ってるのか?ジュリアン・ムーアのポピーもちょうキュートだったけど、マーリン先生ほど派手な花道用意してもらえなくって歯がゆかった何でだよ~目から鼻から血噴出させてくれよ~死に様が地味だよ~
わたしの底辺に近い倫理観や人権意識に抵触するってよっぽどな気がしたゴールデン・サークル。期待していただけにちょっと残念。
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
音楽:ヘンリー・ジャックマン、マシュー・マージソン
原題:Kingsman: The Golden Circle
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・沈黙 サイレンス
・スプリット
・LOGAN ローガン
・ラビング 愛という名前のふたり
・ライフ
・無垢の祈り
・ベイビー・ドライバー
・牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件
・スター・ウォーズ/最後のジェダイ
・お嬢さん
(見た順)
あんまりいいのでスコセッシに何かあげて欲しかった「沈黙」
残酷なのに虐げられたものに寄り添ってくれるシャマランの「スプリット」
痛ましく疲弊した魂が希望を示してくれた「ローガン」
レンガのように一つ一つ積み上げられる愛を見た「ラビング」
あまりにまっとうなSFで感激した「ライフ」
鑑賞後しばらく椅子から立ち上がれなかった「無垢の祈り」
赤子が大人になるところを目撃するビターでさわやかな「ベイビー・ドライバー」
明滅にくらくらした「クーリンチェ少年殺人事件」
宗教が崩壊するところがみたいとゆー人生の悲願がかなった気がした「最後のジェダイ」
なんて気持ちがいいふたりなんだろうとこちらまで救われた「お嬢さん」
今年は「物語」とか「おとぎ話」ということをよく考えた一年でした。誰かが物語を語り、それがひとの心に希望を灯す。おとぎ話みたいに救済がおとずれる。そういったことを考えるお話しが多かった印象。
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その他
【アッパー系のシャブ賞】xXx再起動→意味わかんねーくらい阿呆みたいに元気になる
【え、何言ってんの?賞】xXx再起動より「グーチョキパーよりグレネードランチャーだろ」
【美しい死に様賞】ライフより、無重力化で血をごぼごぼこぼしながら死んだローリー・アダムス(ライアン・レイノルズ)素晴らしかった
【この犬死にがすごい!2017】キングコング:髑髏島の巨神より、スカルクローラーちゃんに尻尾バンッ!てされたコール(シェー・ウィガム)
【ナイスクリーチャー賞】ライフのカルビンちゃん、髑髏島の巨神のスカルクローラーちゃん、グレートウォールの饕餮ちゃん、エイリアン:コヴェナントの小さなエイリアンちゃん、ネオモーフちゃん。今年は豊作でした
【監督あんたマジかよすげーな賞】ぶっちぎりでエイリアン:コヴェナントのリドリー・スコット御大。リドスコが生きているうちは続編に金出してやって欲しい
【ナイスカップル賞】レゴバットマンより、バットマンとジョーカー。すごい両思いっぷりだった
【最優秀助演賞】ゲット・アウトのジョージナ(ベッティ・ガブリエル)
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今年見た映画は全部で148作品、内映画館で見たのが60作品。
地方に住んでいると見たい映画が見られない状況がざらにあるので、早いとこ公開と同時にネット配信する時代が来て欲しい。IMAXや4DXと差別化していこう。
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年の瀬にやべー映画見ちまったな!
なんだそれ!なんだそれ!てなるし、あれわたし途中で何か見逃したのかな?て思うほどシーンの切り替わりとか大味だし、えっ今のくだりいる?伏線かな?あっ全然違った…!とまあ次々襲い来るぽかーん案件の連続なんだけど、
エンディングを見るとまったく憎むことができない。
なんかもうにこにこして映画館を出るハメになってしまうし、めちゃめちゃハッピーな気持ちになる。でもひとには全然おすすめできない。よくこんなん公開したな!て気持ちもある。でも楽しい。やばい。よく分からないがやばい映画である(語彙力とは)
あのエンディングずるいよな…全部あれで終わらせられるじゃん…あれで終わればみんなハッピーじゃん…やりたいシーンを並べただけのとっ散らかった断片を力技でまとめられて、けど悔しくないんだから見事なもんだ。人徳かな?
監督、脚本:スタンリー・トン
原題:功夫瑜伽 Kung Fu Yoga
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なんてさわやかなのだろう、蝶の羽音のように笑いさざめきながらどこまでも駆けて行け、君たちの征く手を遮るものは破壊してやれ!て走り去る二人の後ろ姿に大きく手を振って見送りたくなるような、気持ちのいいお話だった。抑圧と暴力を強いる男たちには出来ないやり方で愛を交わす秀子とスッキの美しい姿。無理強いから快楽は生まれないと籠の鳥でも知っている。
好意の描き方がとても好みでさすが安心と信頼のパク・チャヌク…!私のお乳が出たらあなたに飲ませてあげるのに、なんて愛情表明として究極じゃない?奥歯を削ってやるために秀子のくちに親指入れるスッキ、その間スッキの肘ずっと触ってる秀子、唾液を飲み込む音が聞こえるほどの静寂、吐息、あえぐ声、雄弁に恋を語る視線。ものすごく下品で下劣な環境にあるのに、あのふたりのやり取りは蜜の香りがしそうなほど甘やか。
私の飴、まがいものの青玉、手がけてきたものの中でいっとうきれいな作品だと思っていた秀子が受けていた扱いを知ったときのスッキの怒りは計り知れないだろうなあ。叔父の本を、書斎を、朗読を、秀子を閉じ込める牢獄を破壊しつくしてくれる姿にこちらまで救われたような気分になった。段差に立ち止まるお嬢さんにトランクで足場を作ってくれて、屋敷から出るための道を作ってくれる救世主。あんなん胸を打たれるに決まってる。
あわれな秀子お嬢さま、あんなに窓に顔を押し付けて外を見ていらっしゃる…とか思っていたらとんでもなかった。高飛車な態度がとてもよくお似合いになるキム・ミニさん、愛らしく頼もしいキム・テリさん素敵だった。虐げられていた生き物が幸福をつかみ取る爽快。
監督:パク・チャヌク
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
音楽:チョ・ヨンウク
原作:サラ・ウォーターズ「荊の城」
原題:Ah-ga-ssi
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めっちゃ続きが気になるところで続編へつづく!てされるので気が気ではない。
カッタッパー!ど、どうしてだよー!
一昔前のディズニー映画の実写化はボリウッドがやったらいいのでは?てくらい、前半の登場人物の動きとか画柄は夢いっぱいな線で構成されている。ヒロインとはあっという間に恋仲になったりなるほどインド映画である。とても分かりやすく主人公のための物語。
意味が分からん(褒めてる)のが後半。
えっもうなんかすごい、意味が分からん(褒めてる)よくそんな画を撮ろうと思いましたね…あんな戦場にいたら呆けてしまう…そして気づいた時には勢いに押されて\バーフバリ!バーフバリ!/とくちにしてしまう…いやよく知らんけど…物量と熱意とシヴァガミさまの目力に圧倒される…
とりあえずカッタッパにどうしてなのか訊きたいのではやく続き…
監督、脚本:S・S・ラージャマウリ
音楽:M・M・キーラバーニ
原題:Baahubali: The Beginning
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いざ征かん、狼のひとり旅。
犬が死んだからダメです(定例報告)しかし飼い犬がどんな犬かでその家庭がどんな環境かよく分かる、荒んだ家で飼われている犬は攻撃的で、誰彼かまわず吠える…
絶対こいつが黒幕だしきっとこーゆー仕組みのやーつだぜ…俺はくわしいんだ…て思っていた通りの展開だったので驚きは少なく、ただ「90歳の認知症の老人が息切れし震えながら痛ましく記憶をたどり目的を果たそうとする」描写が胸に痛い。妻が亡くなったことも忘れてしまい、目覚めるたびにルース、ルース、どこだ、明かりをつけてくれ、私に話しているのか?と呼びかけ、そして何回も妻の死を知る。いつか自分もああなるかも、と誰もが恐れる未来の痛ましい姿。そんな風に何もかもこぼれていくのに、あっという間にあの戦争が、強制収容所が「ゼブの頭の中には」戻ってくる。いまだ我々に制御できない脳と記憶の恐ろしさ。
メモ:ゼブが鏡を見るシーンが無かった気がしたがどうだったか?次の機会に確認すること
監督:アトム・エゴヤン
脚本:ベンジャミン・オーガスト
音楽:マイケル・ダナ
原題:Remember
最後に原題出るの見ると「憶えている」より「思い出す」のイメージのが強いなと思った。忘れていた記憶がよみがえった。
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なんかもうめっちゃ良かった。
とても良かった。ルークとレイア、スカイウォーカーの双子の話で、レイとカイロ・レン、同じ師を持つ魂の双子の話で、そしてなによりルーク・スカイウォーカーの話だった。タトゥイーンの夕日を見ていた青年。誰もが空をみあげて語るおとぎ話の主人公。
わたしがはじめてちゃんと見たスター・ウォーズはEP1のファントムメナスで、スターウォーズってつまんないんだな、こーゆーのってやっぱりその当時の「旬」を味わったひとじゃないと楽しめないんだろうなってところからスタートきったもんで、そもそもの期待値がそんなに高くなく。家族の問題に銀河系が巻き込まれる話、ジェダイオーダーはなんか鼻につく、クワイ=ガン諸悪の根源じゃん~て思っていた。
今回はそーゆー鼻についた部分を否定しててとても嬉しかった。大切なのはジェダイオーダーではない、寺院ではない、ありがたい書物ではない。そんなものは焼き払ってしまえ、師の教えは弟子に継がれていく。フォースは強弱の差はあれど万物に存在し、けして特別な血筋だけに与えられたものではない。何者でもない両親から産まれた子どもが英雄のように立ち上がる一方で、英雄の血筋の子どもが光の道を歩むとは限らない。真実は多面で、切り口によってさまざまな解釈があり、戦争は善と悪の戦いだと単純にくくれるものではない。特別でない我々の為に新たに語り継がれはじめた神話。
スターファイターのアクションも、ライトセーバーの殺陣も格好良く、口笛吹たくなるようなイカすカットが目白押し。単機で猛攻かけるポーとか、美しいカジノの街がめちゃめちゃになるとか、ホルドー中将の最期とか、レイ+カイロ・レンVSプレトリアン・ガード戦とか、塩の大地に立つレイアとか、白に映える赤とか、ベンVSルーク戦とか際立って素晴らしかった。
「ローガン」見た時も思ったけど、物語が助けに来てくれるなんていいよな~虐げられていた奴隷たちの前に現れて解放してくれたローズ、窮地に陥った反乱軍前に夢のように現れて、時間を稼いでくれるルーク。生き残った人々が彼らのことを語り、彼らは伝説になり、彼らは希望になり、誰かのこころのよすがになる。
これまでのスターウォーズが作り上げた宗教が崩壊し新しい物語が始まる。すべてが一新する。フォースを操る少年が、反乱軍の旗を手に星空を見上げるラスト。物語の登場人物に救われた彼らが語る物語の続きが早く聞きたい。
監督、脚本:ライアン・ジョンソン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
原題:Star Wars: The Last Jedi