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コミカルで舞台コントみたいだな~からの大崩落。
殺せない、怖いんだってわんわん泣いた百姓と助けてくれてありがとうって泣いた百姓の戸口に「私だ」と鬼が立ち裏返したように一変。てゆーか何もかもが一変した1945年よ…びっくりしたような子どもの遺体も映す容赦のなさ。目元からこぼれた、あれは涙か汗か血か。
彼らは怒りながら言うんです、鬼ですから、と当たり前のように通訳さんが言うのこっちは気が気じゃないが、言葉が通じず、文化も分からない異国の人間だからこそ村人は「そんなものか」で流してしまう。日中どちらの言葉も理解する通訳が、拘束されているにしろある種その場をコントロールしている状況の可笑しさと、恐ろしさ。彼が正しい訳をしていると誰にも分らない。「知らない」ものは「知っている」ものに自覚なく支配されてしまう怖さ。
「私」とは誰だったのか。夜更けにひとの家の玄関口に訪ねてきて厄ネタを持ち込むものひとを変えてしまうもの。兵隊は百姓に戻り、また兵隊に戻った。怖いと泣いた百姓はひとを殺した。彼らの戸口に訪ねてきたのは何だったのか。ずっと考えてしまう。
監督:チアン・ウェン
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出演者香川照之さんの撮影日記 中国魅録「鬼が来た!」撮影日記 に当時の様子と後から振り返ってのコメントがあるんだけど、なかなか壮絶。

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